先週末の6月16・17日、宮城・スポーツランドSUGOで開催された全日本選手権は、7月末の"コカ・コーラ 鈴鹿8耐"前に行われる最後のJSB1000のレースとなりました。鈴鹿8耐を前にして、各チームの仕上がり具合を探ることができるこのレースで、勝利したチーム&ライダーは!?

レース1は中須賀克行(ヤマハ)が独走で優勝!

7月28日決勝の鈴鹿8耐の前に、全日本選手権は筑波サーキットで6月30日・7月1日に開催されますが、この第5戦はJSB1000の開催がないので、鈴鹿8耐前のJSB1000クラスのレースはスポーツランドSUGOの第4戦が最後・・・となります。

土曜日にレース1、日曜日にレース2が開催されるJSB1000クラス。予選では今期絶好調のYAMAHA FACTORY RACING TEAMのエースである中須賀克行が、1分26秒670というコースレコードを樹立してポールポジションを獲得しました。なんと、この予選ではウエット宣言が宣告されていました・・・時間が経過するとともに路面状態はドライへと回復していったとはいえ、完全ドライではない状況でこの速さ・・・圧巻です!

予選2位はヨシムラスズキMOTULの渡辺 一樹、3位はTeam HRCの高橋 巧でしたが、26秒台を叩き出したのは中須賀のみ・・・。依然、中須賀とヤマハYZF-R1の組み合わせが、今年のJSB1000では一歩も二歩もライバルたちより前にいる印象を与えました。

画像: レース1のスタート! ホールショットを奪ったのは高橋巧(ホンダ、ゼッケン1)。しかしすぐに清成龍一(ホンダ、ゼッケン23)がこれを抜き、首位に浮上しました・・・。 www.superbike.jp

レース1のスタート! ホールショットを奪ったのは高橋巧(ホンダ、ゼッケン1)。しかしすぐに清成龍一(ホンダ、ゼッケン23)がこれを抜き、首位に浮上しました・・・。

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スタートこそ出遅れた中須賀ですが、3周目の馬の背コーナーでMORIWAKI MOTUL RACINGの清成龍一を抜いて首位に立ちました。その後はTeam HRCの高橋巧が中須賀に食らいつきますが、徐々に差が開きそのまま中須賀が優勝! 今季5勝目をマークしました。

画像: 左から中須賀(ヤマハ)、高橋(ホンダ)、清成(ホンダ)の首位争い。最終的に中須賀は、2位高橋に5秒5の差をつけて優勝しました。 www.superbike.jp

左から中須賀(ヤマハ)、高橋(ホンダ)、清成(ホンダ)の首位争い。最終的に中須賀は、2位高橋に5秒5の差をつけて優勝しました。

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レース2は中須賀克行(ヤマハ)と高橋巧(ホンダ)の一騎打ち!

日曜日のレース2は、ポールシッターの中須賀がスタートでフロントを浮かせてしまい、3番手スタートの高橋巧がホールショット! これに高橋裕紀(MORIWAKI MOTUL RACING)、津田拓也(ヨシムラスズキMOTUL)、渡辺一馬(Kawasaki Team GREEN)が続き、その後ろに中須賀がつける展開になります。

中須賀はオープニングラップで3位に浮上し、前を行く高橋巧と高橋裕紀を追撃! 2周目には高橋裕紀を、そして6周目のシケイン入口で高橋巧をパスし、ついに首位に浮上しました! しかし、ホンダのワークスチーム唯一のライダーの意地で、高橋巧は中須賀に追いすがり、レース2は一騎打ちの様相を呈することになります。

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逃げる中須賀、追う高橋・・・。17周目の第1コーナー、高橋はオーバーランをしてこれで勝負あり・・・と思いきや、再び中須賀を追撃! そして23周目の馬の背コーナーのブレーキングで高橋巧がついに前に・・・出るものの、再びオーバーラン! 冷静にこのアタックをやり過ごした中須賀が、25周をトップで走りきってこの週末のスポーツランドSUGOを完全制覇しました!

ヤマハ陣営に死角なし? ライバルたちの奮起を期待しましょう!

展開こそ違えど、奇しくもレース1、2ともに1位中須賀、2位高橋巧、3位野左根 航汰(YAMAHA FACTORY RACING TEAM)という同じ3人が同じ並びで表彰台に登壇することになりました。

画像: レース2の表彰式。左から2位の高橋巧(ホンダ)、優勝の中須賀克行(ヤマハ)と監督の吉川和多留。そして3位の野左根航汰(ヤマハ)。 www.superbike.jp

レース2の表彰式。左から2位の高橋巧(ホンダ)、優勝の中須賀克行(ヤマハ)と監督の吉川和多留。そして3位の野左根航汰(ヤマハ)。

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今のところ、JSB1000での各結果を見る限りは、162ポイントでランキング首位をひた走る中須賀を擁するYAMAHA FACTORY RACING TEAMが、やはり今年の鈴鹿8耐の本命・・・と見る向きは多いでしょう。

しかしライバル筆頭のTeam HRCも、レース2では最後まで中須賀に食い下がったことからわかるように、ヤマハとの差を詰めていってはいるようです。そして鈴鹿8耐はライダー1人で戦うレースではなく、一緒に組むライダー、チームクルーの力などの総力戦で、雌雄を決するレースと言えます。

残り1カ月とちょっとで、各チームがどれだけ上積みをできるか・・・。みなさんご贔屓のチームの奮闘を期待して、7月の「決戦」を楽しみに待ちましょう!

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