今回はSFハードボイルド映画の金字塔『ブレードランナー』の続編、『ブレードランナー2049』。
SFハードボイルド映画の金字塔「ブレードランナー」続編
1982年公開のSF映画『ブレードランナー』（原作はフィリップ・K・ディックの『アンドロイドは電気羊の夢を見るか?』）。環境破壊によって宇宙の植民地への移住が行われ始めた2019年を舞台とした作品で、植民地開拓のために開発された人造人間レプリカントの脱走を食い止め、抹殺する役目を負うハンター”ブレード・ランナー”を描いていた。本作『ブレード・ランナー2049』はその30年後を描いた、正当な続編だ。
（2019年はもはや未来ではなくただの”来年”だし、2049年もそれほど先でもない。こんな世界になるか？と言われると、そうでもない、と思えてしまう・・）
リドリー・スコット監督が描き出した、毎日酸性雨が降る近未来都市の暗鬱な描写は、多くのSFファンを熱狂させ、アジアとヨーロッパが混じり合った、猥雑で退廃した街を歩くハリソン・フォード扮するデッカード捜査官の姿はあまりにクールだった。
（まだ10代だった僕は、デッカードが来ていたミリタリー風のトレンチに似たコートを探し求めて、横須賀の 米軍基地近辺のドブ板通りを徘徊したものだ）
観るべき理由とやめといたほうがいい理由
本作は鳴り物入りで公開されたものの、興行成績は振るわなかったらしい。
まず、観たほうがいい、と思える高得点ポイントをいくつかあげると、
観るべき理由
1. ライアン・ゴズリングが主演
僕の最近の推しメンは、トム・ハーディ、ライアン・レイノルズ、そしてこのライアン・ゴズリング。本作においても、ライアン・ゴズリングはレプリカントでありながらブレード・ランナーでもある、捜査官Kの役を順当に演じている。寡黙であまり感情を表に出さないレプリカント、しかしストーリーの進展にしたがって徐々に人間的な表情を見せ始める、という難しい役だが、ゴズリングにはぴったり。実にクールなヒーローとなっている。
2. ヒロインのジョイ役のアナ・デ・アルマスがめちゃくちゃ可愛い
1988年4月30日生まれのアナ・デ・アルマスが、捜査官Kの恋人ジョイを演じている。実はジョイはAIとVR/ARによるバーチャル彼女なのだが、捜査官Kの自宅でさまざまなコスプレに扮していて、その可愛さだけでも観る価値十分だ。
（彼女は単なるAIではなく、十分にリアルであると感じさせてくれるのだが、実はやはりプログラムにすぎないことが、捜査官Kの狂おしいまでの絶望を煽ることになる・・・）
Ana de ArmasさんはInstagramを利用しています:「Because I can dance salsa anywhere, anytime... 」
www.instagram.com
アナ・デ・アルマスちゃんのコスプレは必見！
www.bladerunner2049.jpやめといたほうがいい理由
1. とにかく長い・・・（2時間44分）
僕は映画は2時間以内に収めるべきだと思っている。それ以上長いのは、監督の冗漫さだし、観客を飽きさせる。
2. ストーリーが・・・・
ネタバレはしないが、主人公の捜査官Kが、自分はもしかしたら特別な存在なのかもしれない、と考えるところから物語は始まる。その秘密を知るのは30年前に姿を消したデッカード。彼を探すうちに、捜査官Kは自分が何者であり、隠された秘密の存在を知る・・。
だが、正直オリジナルの「ブレードランナー」が持っていた緊迫感がなく、やはり冗漫な感じが否めない。ライアン・ゴズリングの切なさややり切れなさは共感できるのだが、もう少しテンポ早く、シンプルな疾走感を持たせてくれてもよかったのではないか？？
最後に・・・
1時間44分のディレクターズカットを作って欲しい。
映像は美しいし、ブレードランナーらしさは十分ある。捜査官Kとジョイの切ない恋の描写もいいし、敵方の女レプリカントもなかなかいい。
ただただ長く、それがゆえにわかりづらくなる。そこが本当に惜しい映画なのだ・・。
『ブレードランナー 2049』2018年3月2日Blu-ray＆DVD＆UHD＆3D発売／同日Blu-ray＆DVDレンタル開始
www.youtube.com
