黒人のスーパーヒーローとして生まれたもののマイナーなキャラクターの一つであったブラックパンサーの初の実写映画化。アベンジャーズの新戦力として活躍が期待される新ヒーローは、先駆けて公開されたアメリカでは全米公開4日間の興行収入歴代3位と、既に大ヒットで社会現象を起こしている。
画像: 試写会会場では、実物大?のブラックパンサーがダイナミックなポーズで周囲を威嚇

試写会会場では、実物大?のブラックパンサーがダイナミックなポーズで周囲を威嚇

2018年3月1日(木)全国公開の超話題作

本作は、単独ヒーロー作品としては同じマーベル系の「スパイダーマン」「アイアンマン」を抜いて歴代1位の記録を立てたという。2018年4月27日日本公開の『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』へと繋がる本作は、これまでのどのヒーローと比べても非常にスタイリッシュかつスピーディ。実に魅力的な”スター”を生んだ、と言える。

日本の全国ロードショーに先駆けてメディア向け試写会で2時間++の本作を堪能したが、これまでのマーベルのヒット作に勝るとも劣らない、いや、アクションシーンやメッセージ性からすると、ナンバーワンと言える傑作だ。

ストーリー

舞台はアフリカの小国ワカンダ。前王が国連でのスピーチの際にテロに遭って命を落としたため、息子のティ・チャラが王位を継ぐところから話は始まる。ティ・チャラはワカンダの王として、代々の王に相伝される特殊な力=超人的な身体能力と、それを拡張させるハイテクスーツ(後述するが、ワカンダ産の特殊な鉱石で作られている)を受け継いでいる。この力を備える者を、ワカンダではブラックパンサーと呼ぶのだ。
発展途上の貧しい農業国としてしか見られていないワカンダだが、実は欧米を遥かに凌駕するスーパーテクノロジーを持つ超文明国家なのであり、ブラックパンサーの力を含め、それらのテクノロジーはワカンダにとって門外不出の国家機密なのだった。
ワカンダのテクノロジーを支えているのが、万能のパワーを持つ鉱石ヴィブラニウム。
ワカンダはこのヴィブラニウムの力を使って、高度な文明を築き、豊かな生活を実現してきたが、それを世界が知れば必ず自分たちの平和を脅かそうとする国が現れる。それを恐れたワカンダは、巧みに真の姿を隠し、貧しい国、という隠れ蓑をかぶり続けてきたのである。

しかし、その秘密は徐々に明かされ始め、ヴィブラニウムと、それを基にしたテクノロジーを奪おうとする悪意ある者たちがワカンダに迫る。そして、同時に新国王となったティ・チャラもまた、争いが絶えず、貧困者が喘ぎ苦しんでいる世界を目の当たりにしたことにより、このまま自国の安全だけを優先して、弱者の苦悩を見て見ぬ振りをしていていいのか?という疑問を打ち消すことができなくなっていく。

果たしてワカンダの秘密は白日のもとに晒されてしまうのか?ティ・チャラは、ブラックパンサーとしての力をワカンダのためだけに使うのか?一小国の国王として生きるのか、世界にとってのスーパーヒーローとなるのか。彼は選択を迫られていく。

神秘的なヒーローの確立に成功

スーパースーツによる超人、という意味ではアイアンマンに近いブラックパンサー。国王と大富豪、ハイテクスーツによる超絶パワーという共通点がある。
ただしブラックパンサーにとってはスーツはあくまで補助的なモノで、どちらかというと新スパイダーマン(「スパイダーマン:ホームカミング」)に近いかも。

アフリカに位置する謎めいた国の出身者ということで、ハイテクとともに呪術というか精霊を奉じるかのような(アフリカらしい?)古代宗教や古俗的な風習などが存在するのがワカンダ。王に伝えられるブラックパンサーの力は科学技術と呪術のハイブリッドであるがゆえに、一種妖しく、禍々しさを湛えたものだ。

「アベンジャーズ」にはDr.ストレンジのように魔術そのもの、オカルト的なヒーローが加わるが、ハイテクとマジック(魔法)が混じり合ったブラックパンサーが参画することで、より一層の興味が募る。
本作は新「アベンジャーズ」につながる、というポジショニングをマーベル・スタジオから与えられているが、その期待はもちろん高まるし、そして単独のヒーロー映画としての魅力も十分にある。「ブラックパンサー2」が企画されているとしても全く驚かない、それほど面白い作品となっている。

画像: 「ブラックパンサー」予告編 www.youtube.com

「ブラックパンサー」予告編

www.youtube.com

主人公ティ・チャラ=ブラックパンサーを演じるのはチャドウィック・ボーズマン。ハンサムな容姿に加え、非常に演技力も高い良い俳優だ。
ちなみに、ティ・チャラは国際舞台でのスピーチで、壁を作る国にはなりたくない、という発言をするが、これは米国の現大統領への当てこすり、なのだろう笑

コメントを読む・書く

This article is a sponsored article by
''.