そもそも、"ヘイロー"ってなんじゃらほい?
メディアによっては"ハロ"と表記する例もありますが、"ヘイロー"とはそもそも、宗教関連の単語であります。
(聖者の像などの頭の周りやその上方に描かれる)円光,光輪,光背,後光.

レオナルド・ダ・ヴィンチ作の『ブノアの聖母』(1478年)。聖母マリアと幼いキリスト頭の後ろにあるのが"ヘイロー"です。
en.wikipedia.org面白いことに洋の東西を問わず、昔から聖人の頭の後ろに光の輪とか後光を描写する表現はあるんですよね・・・。閑話休題、F1でヘイローを導入しようという話は、クラッシュ時に飛散するパーツなどの"デブリ"から、ドライバーの頭部を守ろう、という安全対策の観点から始まりました。
コクピットから頭部(ヘルメット)が露出している、オープンホイールのフォーミュラーカーのレースでは、"デブリ"によって大怪我したり、最悪の場合は死亡に至るケースがままありました。より安全性を高める・・・という概念については、異論をとなえる人は少ないでしょう。
確かに安全は大事・・・でも、カッコ悪い!
そもそもヘイローのコンセプトは、近年F1最強チームであるメルセデスのデザイナーが2015年に考案したものです。

これがヘイロー本体です。チタン合金製で堅牢に作られており、その重量は数kgです。しかし、ヘイローを取り付けるためにボディ側も変更する必要があるため、従来型F1より10数kg車重が重くなります。また空力も悪くなることもあり、ラップタイムは従来型F1より遅くなると言われています。
www.youtube.comF1 Explained: The Halo
youtu.beヘイローに対するファン目線の反対論の最たるものは、"カッコ悪い"というものです。このカッコ悪いという意見はドライバー側からも出されていますが、肝心の安全面についても頭部保護は強化されるが前方視界が悪くなること、クラッシュ時に速やかな脱出がしにくくなる、また車体の重量増加により大柄なドライバーには不利にはたらく・・・などの指摘も出たりしています。

2018年型のウィリアムズの新車、FW41のヘイロー。脱落したタイヤなどの「大物」はヘイローでは防げるでしょうが、ボルトなどの「小物」パーツのデブリはヘイローの防御をすり抜ける可能性があります。
www.youtube.comそのうち見慣れる・・・とか、カッコ悪いから数年後には他の安全策が生まれてヘイローは廃止されるんじゃないか?・・・とか、いろんな声が世界のF1ファンの間からは聞こえてきますが、果たしてどうなるのでしょうね? 今はヘイローが、全てのF1ドライバーに神仏の御加護をもたらすものになることを祈りたいです。ヘイロー導入初年度となる今年のF1に、注目しましょう!
[16:9] WILLIAMS MARTINI RACING Reveals FW41 at 2018 Season Launch
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