2017年11月4日(土)@Bunkamuraオーチャードホールで行われたアマデウスLIVE〜ムービー・オン・クラシックを観覧してきた。1984年に公開された名作映画「アマデウス」(アカデミー賞9部門を受賞)をスクリーンに上映し、オーケストラと合唱団が映像に合わせて生演奏するという企画だ。
年間100本の映画を観る筆者ができるだけマイルドに作品批評w

映画 アマデウス(劇場公開版)
1984年アメリカ映画
主演:F・マーリー・エイブラハム、トム・ハルス、エリザベス・ベリッジ
監督:ミロス・フォアマン 原作・脚本:ピーター・シェーファー
音楽:ヴォルフガング・アマデウス・モーツァルト
音楽監督・編曲:サー・ネヴィル・マリナー
1985年アカデミー賞8部門受賞
[作品賞・監督賞・主演男優賞・脚色賞・美術賞・衣装デザイン賞・メイクアップ賞・録音賞]

神に愛された者=アマデウスを羨み憎んだ男の告白

1984年に公開され、アカデミー賞8部門受賞に輝いた名作「アマデウス」。
神聖ローマ帝国のヨーゼフ2世お抱えの宮廷楽長として権勢を得ていたアントニオ・サリエリを、
ヴォルフガング・アマデウス・モーツァルトを死に追いやった人物として描いた作品だ。
(サリエリがモーツァルトを毒殺したという噂は確かにあったらしいが、根拠はなく、本作はあくまでフィクションである)

サリエリは才能ある音楽家であり、後世にまで残る傑作を作るために神に全てを捧げることを誓った男だったが、自分をはるかに上回る才能を持つモーツァルトの出現に自分の限界を思い知らされる。
作中サリエリは自分のことを凡人と自嘲するが、彼の才能はとても凡庸なものではない。その証拠に誰よりも早く深くモーツァルトの非凡さを見抜き、モーツァルトが生み出す音楽の高い芸術性に涙することができる。

ただサリエリの不幸は、それは真の天才であるモーツァルトの凄さを見抜けてしまう程度には高い音楽の才能があり、同時にモーツァルトをライバル視しようにも彼我の差を思い知ってしまうことだった。そして、その差を認め、モーツァルトのメンターに回るにはサリエリは音楽を愛しすぎていた。自分こそが神に愛され、神に捧げる音楽を作ることを夢見ていたがゆえに、彼は絶望したのである。

サリエリが本当にただの凡才であったなら、モーツァルトとの才能の差をそこまで冷徹に思い知ることはなかっただろうし、単にモーツァルトを毛嫌いしていればよかった。しかし、彼は心底憎悪してやまない相手が作る音楽に心から魅了されてしまう。故に、中途半端な才能しか与えてくれなかった神への憎悪を感じることで狂気に身を委ね、神に愛された者=アマデウスへの殺意を抱いていく自分を止めることができなかったのだった。

映像と生演奏のコラボ

「アマデウス」はクラシックを題材にした映画だが、アマデウスLIVEはオーケストラの背景に大きなスクリーンを置き、映画「アマデウス」を流しながらオーケストラが生演奏するという斬新な試みだ。
サリエリの気分で見れば、遥か高みにある真の才能に対して嫉妬が我が身を焦がす熱さと激しい痛みに身をよじりたくなるだろうし、自分の才能を見限りつつも音楽を捨てきれない彼に同情を禁じ得なくなるだろう。
モーツァルトの気分で見れば、自分の才能を信じつつも、世間と自分の理想のギャップに苦しむ天才を切なく思うだろう。

そして、映画とオーケストラという異質の芸術のコラボレーションの食い合わせの悪さを予想しながらも、すぐに引き込まれていくことだろう。(引き込まれた)

画像: 「アマデウスLIVE~ムービー・オン・クラシック」2017年11月日本上陸!! youtu.be

「アマデウスLIVE~ムービー・オン・クラシック」2017年11月日本上陸!!

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