年間100本の映画を観る筆者ができるだけマイルドに作品批評w
ストーリー
舞台は冷戦が激化する1973年。
人工衛星の衛星画像によって発見されたのは、常に激しい嵐で周囲を囲まれ、これまで文明社会から隔絶されていた南海の孤島、髑髏島(SKULL IRLAND)。前人未踏のその島の生態系を調査するため、米国秘密組織のMONARCH(モナーク)のメンバーのランダは、護衛の米軍ヘリとジャングルのサバイバル術のプロで傭兵のコンラッドらを伴い、髑髏島に上陸するが、そこは奇怪な巨大生物が跋扈する怪獣島だった・・・そして、彼らは島を守る一頭の超巨大ゴリラ=コングの存在を知る・・・。
非常に正攻法で、シンプルかつストレートなストーリー展開は好感。身長30メートルを超える巨大なコングと、謎の巨大生物たち、あるいは軍用ヘリとの戦いは見応え抜群だ。
キングコングという、誰もが知る、古典的なキャラを今更・・・と観る前は思っていたが、今回は過去のコング映画のリメイクではなく、新しいステージにコングを押し上げた、非常に質の高いエンターテインメントとなっている。観て絶対に損はしない、オススメの作品である。
大怪獣エンターテイメントシリーズ”モンスターバース”の第二作
モナークは『GODZILLA ゴジラ』にも”怪獣などの未確認生物の調査を行う特殊機関”として登場しており、同じ世界観であることが分かる。本作は、ゴジラやキングギドラ、モスラなどのお馴染みの怪獣たちとの、怪獣版アベンジャーズ?に繋がる、大怪獣エンターテイメントシリーズモンスターバースの第二作となる。
モンスターバースは、配給:ワーナー・ブラザース、製作:レジェンダリー・エンターテインメント(東宝と提携)のスキームで連作が決定している怪獣映画シリーズ企画であり、今後「GOZILLA」の続編や、本作で登場するキングコングとの対決を描く続編も用意されているらしい。
マーベルのアベンジャーズ、DCのジャスティス・リーグなど、最近のSFアクション系のエンターテインメントは同一の世界観上で展開するクロスオーバー作品が増えているが、本作はその怪獣版といったところ。
マーベルやDCでは元々メジャーなスーパーヒーロー(アイアンマンやスパイダーマン、バットマン、スーパーマンなど)に加えて、ヒーローたちを集積した作品を成功させつつ、さらに世界的にはやや無名の古典的キャラの掘り起こしをしていく(例えばワンダーウーマンやフラッシュ、ドクター・ストレンジやブラックパンサーなど)ことで、スピンオフ作品をローンチしていく、という手法が、現在のエンタメ業界の主流的手法らしい。
その点でいえば、怪獣映画はキングコングにしてもゴジラにしても、昔ながらのスーパースターの知名度は抜群だが、あとはキングギドラにしてもラドンにしても完全に悪役(ヴィランというよりヒール)で、コングやゴジラ以外にピンで作品を起こすのはやや難しそうに思うがどうだろう。