激しいアクションとストリート感を全開にしたスパイアクション作品。「ワイルド・スピード」シリーズのヴィン・ディーゼルが主演復帰した、シリーズ第三作。
サッカーの超一流プレイヤーであるネイマールや、「マッハ!!!!!!!!」のトニー・ジャー、「イップマン」や「ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー」のドニー・イェンらがキレキレのアクションを見せていることでも話題になった。
筋肉(マッチョ)、アクション、美女の三拍子を堪能
シリーズ第一作は大成功したものの、契約関係のもつれのせいか、ヴィン・ディーゼルが降板して(劇中ではミッション中命を落としたとされていた)ラッパーのアイス・キューブを起用して二作目が作られる。しかし興行的に失敗したために、その後続編が作られることはなかった。
今回ヴィン・ディーゼルがプロデューサー兼主演で復帰。アジア系のスター(トニー・ジャー、ドニー・イェン、元EXOのクリスなど)を配して、グローバル、というよりアジアンテイストを強く押し出している。
トリプルXという作品の原点とも言える、マッチョな男たち、激しいアクション(高速スケートボードや海上バイク、スカイダイビングなどのXゲーム系アクションが特に見もの)、そしてセクシーな美女たちをふんだんに魅せてくれているのが愉しい。
ストーリー
人工衛星を操って狙った場所に墜落させる(=衛星を爆弾のように扱える)秘密兵器”パンドラの箱”がCIA本部から強奪された。パンドラの箱を取り戻すための切り札として、CIAは死んだはずの初代トリプルXことザンダー・ケイジを探し出す。
パンドラの箱の悪用によって、かつて彼を見出してトリプルXに指名したNSAのギボンズが殺されたことを知ったザンダーは、復帰を承諾し、アウトロー仲間を集めてチーム・トリプルXを結成する。
彼らはパンドラの箱を奪い、隠匿しているのが、自分たちと同じようにギボンズにスカウトされた元トリプルXであると知るが・・・・。
ヴィン・ディーゼルの自信たっぷりな表情を楽しめ
ヴィン・ディーゼルという俳優は、世界三大 スキンヘッド(あえて禿げ頭とは言わない)・マッチョのアクション俳優 (略してスマアクスタ。ファンタジスタ、のように発音してください)の一人だ(僕の個人的な選抜です)。
つまり「ダイ・ハード」シリーズのブルース・ウィルス、「トランスポーター」シリーズのジェイソン・ステイタムと並ぶスマアクスタなのだが、僕の中では一番評価が低かった。
なぜかというと、ヴィン・ディーゼルは「ワイルド・スピード」シリーズでも「リディック」でも「トリプルX」第一作でも、時々妙に弱々しい顔をするからだ。彼らスマアクスタの映画は、徹頭徹尾B級アクションでよくて、暗さとか影とか社会的メッセージなんて不要の、とびきりの娯楽エンターテインメントであってほしい。
スカッとするために観るのだから、弱気な顔は見せて欲しくないのである。
(とはいえヴィン・ディーゼルの主要作品は、ほぼ観てるんだけどね)
その点、今回の「トリプルX:再起動」のザンダーは、ピンチでも余裕綽々、パラシュートなしで墜落中の飛行機から飛び降りてもへっちゃら。スマアクスタはこうでなくちゃというパワフルさ、男臭さ全開で、楽しげに演じてくれているのである。
つまり、本作は、スカッとしたい人にはうってつけの一作。
マッチョが好きでないなら、ドニー・イェンの高速カンフーを楽しめばいいし、女性陣のガンアクションも昔の「Mr.&Mr.スミス」を彷彿させるような華麗さで、十分に満足できることだろう。