彼はそこで魔術を学び、生まれ変わる。
あらすじ
物語は、暗黒次元の絶対悪ドルマムゥの侵略から地球を守る魔術師たちの活躍を描いている。カマー・タージの主はエンシェント・ワンという謎の女性。数百年は生きていると思われる至高の魔術師だ。
彼らはNY、ロンドン、香港に結界を持ち、ドルマムゥの接近を阻んできた。しかし、エンシェント・ワンの過去の弟子の一人カエシリウスはエンシェント・ワンの教えに疑問を抱き、ドルマムゥこそが救世主なのではないかと考えるようになる。ドルマムゥは時間を超越しており、カエシリウスはドルマムゥの力を得ることで老化や死を免れた楽園を作り上げようと考えたのだ。
しかし、目的のためとはいえ、簡単に人を殺し、街を破壊するカエシリウスのやり方は、人の命を救うことを生業としてきたドクター・ストレンジの性に合わない。彼もまたエンシェント・ワンへの疑心を捨て切れなかったが、カエシリウスに与することなく、ドルマムゥの侵略を食い止めるために立ち上がるのである。
やがてアベンジャーズに加わる魔術師たち
本作の原作はアイアンマンやスパイダーマンなどと同じマーベルのコミックだ。映画のうえでも、やがてドクター・ストレンジもアベンジャーズに加わることになるのだが、正直その魔術は凄まじすぎて、他のヒーローたちとの整合性をどうやってとるのか疑問なくらいだ。
映画としては、ストーリーもわかりやすいし、キャラも立っていて、エンターテインメントとして上等だと思う。だからこそ、アベンジャーズシリーズに加えない方が全ての世界観を壊さなくて済むのではないかと思うのだが、本作のエピローグにはマイティ・ソーがカメオ出演しているし、作中でも割と早いうちに「アベンジャーズは物質世界を守っており、我々(魔術師)は別の次元の世界を守っている」というセリフが出てくるので、それは規定の事実となっている。
いずれにしても本作はストーリーはシンプルでわかりやすい。(ストレンジの理解者であり恋人に近い存在の女性医師が登場し、それなりに交流があるが、それ自体はちょっと蛇足のようになっている)誰が見ても十分に楽しめる作品になっていると思う。