あらすじ:陸軍の内部犯罪を暴くリーチャーの活躍
今回のリーチャーは古巣である陸軍内にはびこる悪事と陰謀に巻き込まれる。
彼がかつて所属していた陸軍内部調査部のターナー少佐(女性。美人)を訪ねたリーチャーは、彼女がスパイ容疑で逮捕されたことを知る。ターナーの無実を信じるリーチャーは、彼女の身の潔白を証明するためにターナーを脱獄させ、共に行動を開始する。
謎の男ジャック・リーチャーが過去に追われて動揺する様が面白い
天涯孤独、完璧な一匹狼として活動してきた謎の男リーチャーだが、今回はかつて関係した女に子供ができて、その父親が自分なのではないか?という疑惑をかけられるという伏線がある。
15歳になるその娘、サマンサは実に生意気で自分勝手なのだが、その人を寄せ付けない雰囲気がどこか自分に似ている、とリーチャーは感じて本当に自分の娘なのではないかと思わざるを得ない。
煩わしい人間関係を避けて、自分の人生をのボスは自分だけであるという信条と自由の下で生きてきた彼にとって、その疑心は非常に息苦しいものであったが、それでもサマンサに危機が迫ると決死の覚悟で彼女を守ろうとする。
ロボットのようにあまり感情を表に出さずに淡々と悪を倒してきたリーチャーにして、やはり普通の男と変わらない、人間らしい感情があるのだと分かって、とても共感できる。
また、トムの動きのキレは相変わらずで、CGや予算度外視的な凄まじいアクションはないが、リーチャーの格闘シーンはリアルで激しく実に見応えがある。
前作ではIDも持たず経歴も定かでない謎の男として登場したリーチャーが、今度は彼の素性自体は丸わかり。周囲から”少佐”と呼ばれ、わざわざ”元・少佐”と正すあたり、過去に引っ張られることへのリーチャーの嫌気の感情を表現していて面白いが、今回に限っては同じ陸軍の仲間や、娘(かもしれない少女)との”絆”に引っ張り回されるリーチャーの動揺具合を見られるのが愉快だ。