2016年、文字通り日本列島を蹂躙した話題の一作。東宝ゴジラシリーズの第29作であり『ゴジラ FINAL WARS』以来12年ぶりとなる新作ゴジラ。渡辺謙出演でも話題となった2104年公開の『GODZILLA ゴジラ』に対する日本映画業界の意地、とも言える作品。
これまでのように怪獣の登場 即攻撃という図式ではなく、実際の官邸や自衛隊などの国防関係者が対応に追われ、従来の政府や官僚の機構と命令系統に即した対処、という現実の国家vs怪獣というリアルさが受けて大ヒットした。

姿をなかなか見せないティザー的な作りと、リアルな政府関係者の対応描写が話題に

突如東京湾に現れたゴジラ。
当初は海底火山の噴火であるかのように思われたが、果たしてその正体は巨大で奇怪な怪物だった。

ゴジラは東京湾から上陸し、都内を移動しながら形態を変えながら”進化”していく。想定外の事態に政府は混乱し、右往左往するが、徐々に怪物のそのサイズや脅威が明らかになっていくにつれて、政府関係筋も”進化”し、史上最悪の自然脅威に対処していく。

日本国内で製作された怪獣映画ではおよそ初めてと言っていい、怪獣(ゴジラ)の登場シーンをギリギリまで削りに削って、対処する人間側の作戦行動の描写を中心とした、新しい怪獣映画。
とは言ってもこの手法は、J.J. エイブラハム監督の「クローバーフィールド/HAKAISHA Cloverfield」(2008年製作)以来、米国映画では比較的ポピュラーとなってはいるが・・。

ゴジラ軸ではなく、政府の対処策軸でのシミュレーションムービー

長年のゴジラファンである友人からも「まだ観てないの?」と責められ続けてきたが、ようやく鑑賞できた。

正直に言うと、僕は日本中で大ヒットしたこの作品をそれほど楽しめなかった。進行が遅くて途中眠くなってしまうことが度々・・・・どちらかというと、『GODZILLA ゴジラ』のほうが僕は好みだと告白しておく・・。
とはいえ、本作は紛れもなく新しいゴジラ映画として東宝が知恵を絞って作り上げた良い作品であり、商業的にも成功したように今後のシリーズ化も期待できることは間違いない。また、最終形態に進化したゴジラのビジュアルは実にクール。放射熱線を吐くシーンなどは鳥肌が立つくらいカッコイイから、そこを見るだけでも映画代を払う価値があるとは言える。

タイトルで書いたように、これはテロや自然災害を含めた強烈な災厄に対処する日本国の対応能力のシミュレーションムービーだ。作中識者はゴジラはさらに進化して有翼化する(つまり空を飛ぶ)可能性すら示唆されており、対応策として東京内での核兵器の使用についても検討される。
ただ、そのシミュレーションへのこだわりが強すぎて、本来の怪獣映画の楽しみについては、やや減損されてしまったのではないかな、とやはり僕は思わざるを得ないのである・・・。

画像: シン・ゴジラ 予告1 (Blu-ray&DVD Ver.) www.youtube.com

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画像: SHIN GODZILLA Blu-ray&DVD Bonus Footage Trailer www.youtube.com

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