誰もが憧れる職業”レーサー”。彼らはいったいどのようにして今の場所まで来たのでしょうか?気になるけど中々聞けない。そんなレーサーへの道のりを実際に本人に聞いてきちゃったこのコーナー!
今回は全日本ロードレース選手権や鈴鹿8耐にも参戦する岡村光矩選手に質問させて頂きました。

ロードレースってどんな競技?

画像: (C) MFJ ALL JAPAN ROAD RACE CHAMPIONSHIP All Rights Reserved.

(C) MFJ ALL JAPAN ROAD RACE CHAMPIONSHIP All Rights Reserved.

ロードレースは、バイクが登場した20世紀初頭に、公道で競われたレースがその発祥で、舗装された路面で速さを競う競技です。

基本的には、予選の決められた時間内に各ライダーがタイムアタックし、1Lapのタイムが速い順に決勝レースのグリッドの順番を決定します。

そして、決勝レースでは、各マシンが一斉にスタートし、決められた周回数をどれだけ速く、そしてどれだけミスなく周回できるのかを競うのです。

そんな数あるロードレースの中でも、岡村選手が参戦しているのは国内最高峰のオートバイ・ロードレースシリーズである、全日本ロードレース選手権(JRR)の最高峰カテゴリー!JSB1000クラス。
国内外の各メーカーのスーパースポーツ(4気筒:600~1000cc、3気筒:750~1000cc、2気筒:850~1200cc)をベースに、レギュレーションに沿ったモディファイを加えた専用マシンを使用し、タイトル獲得を目指します。

また、FIM世界耐久選手権シリーズの最終戦である“コカ・コーラ”鈴鹿8時間耐久ロードレースにも参戦しており、昨年(2016年)はSSTクラス優勝という偉業も達成しています。

レーシングライダー:岡村光矩

画像: レーシングライダー:岡村光矩

プロフィール

名前:岡村 光矩
所属チーム:KRP 三陽工業&RS-ITOH
生年月日:1988年9月15日
出身地:福岡県
血液型:A型
マシン:Kawasaki ZX-10R

レース戦歴

2016年
●全日本ロードレース選手権 ST600フル参戦 / シリーズランキング14位  (RS-ITOH & FA.com保険職人)
●鈴鹿8耐時間耐久ロードレース/SSTクラス優勝 (RS-ITOH & FA.com保険職人) 
2015年
●アジア選手権SS600フル参戦 (RS-ITOH&ASIA)
●鈴鹿8耐参戦 / SSTクラス3位 (RS-ITOH&ASIA)
2014年
●全日本ロードレース選手権 ST600 (第2戦オートポリス優勝)
/ シリーズランキング5位(RS-ITOH&ASIA)
●鈴鹿8耐時間耐久ロードレース (RS-ITOH&ASIA) / リタイア
2013年
●アジア選手権SS600フル参戦/ランキング14位(Faito Tsukigi Racing)最高位6位
●鈴鹿8耐時間耐久ロードレース /25位 (RSガレージハラダ)
2012年
●全日本ロードレース選手権ST600フル参戦/ランキング13位
●アジア選手権SS600スポット参戦(RSGレーシング)
2011年
●全日本ロードレース選手権ST600フル参戦/ランキング12位(RSGレーシング) 最高位4位
●アジア選手権SS600スポット参戦/7位 RSGレーシングより参戦
2010年
●全日本ロードレース選手権ST600スポット参戦(RSGレーシング)
2009年
●九州選手権&サウスチャレンジカップ/両タイトル獲得
●鈴鹿4耐参戦/7位
●鈴鹿NGK杯/優勝( RSGレーシング)
2008年
●九州選手権 ST600 最終戦/2位 (RSGレーシング) ST600クラスデビュー

画像: KUSHITANI インタビュー JSB1000 岡村光矩#1 youtu.be

KUSHITANI インタビュー JSB1000 岡村光矩#1

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岡村選手に聞いてみました。

画像: www.facebook.com
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バイクに乗り始めたきっかけは?
僕は子供のころからレースをしていた訳ではなく、最初は16歳で中型免許を取って、街中での走行を楽しんでいました。
その後、街中だけではなく、峠に行って峠での走りを楽しむようになったのが高校生の時でした。
ただバイクが好きで、乗りたいと思って乗り始めました。

最初に買ったバイクは?
最初に買ったのはHONDAのHORNET250です。それで峠を走ってました。

レーシングライダーを目指したきっかけは?
高校を卒業する直前ぐらいに、バイク屋さんの社長に誘われて、走行会に行ったんですよ。そこで、サーキットを走ってみると速くて(笑)
それを見た社長が、「お前はレースをしろ!」と声をかけてくれて・・・。
でも、その時は「嫌だ!僕は潜水士になる!」って言って、潜水士になったんですよ。レースには全く興味が持てなくて。当時の夢は潜水士でした。それで、映画の海猿みたいな仕事を1年間やってたんです。
でも、潜水士の仕事が思ったより酷い環境で・・・危険で忙しいのに給料が安かったり、下半身不随になった先輩も居たりして・・・。
一般の潜水士の劣悪な環境に限界を感じたので、1度辞めて、海上保安庁とか、自衛隊とか法で守られた公務員の潜水士になる事を決めて、公務員専門学校に入ったんです。
でも勉強が嫌いだったので、息抜きにHONDAのCBR600を買って、友達を集めてレースに出ようって事になって、遊びで出たレースで勝っちゃったんですよ。練習とか全くしてないのに優勝しちゃったんです。
その時に、一番最初に所属したチームの代表が「レースをやりたかったらうちに来てくれ。」って声をかけてくれたんです。
それでも僕は、全くレースには興味が無くて、「いや僕、公務員になります。」って断って(笑)
公務員の潜水士に本気でなりたかったんですけど、勉強がやっぱり嫌いで・・・。
暇なときに息抜きにモトクロスをやってたら、足の骨を折っちゃって。公務員の体力試験を受けれなくなっちゃって・・・。
そこで、「これはチャンスだ!レースしよう。」と思って、学校を辞めてレースを始めちゃったんです。
結局、レースをやりたくなってたんですよね。

画像1: 岡村選手に聞いてみました。

当時憧れたライダーと現在の憧れのライダーは?
難しい質問ですね・・・僕は、レースの世界に憧れていた訳ではないから、憧れたライダーがいなくて。
有名なライダーとかで憧れたライダーはいないんですけど、始めた当時は九州選手権を走っていた先輩方に憧れましたね。
その時トップを走っていた先輩とかチームの先輩。まずはそこを追い越さないと上にはいけないので、憧れました。
今は・・・唯一1人憧れているライダーは、関口太郎さんです。2010年の僕が全日本にスポット参戦していた時に、フル参戦するかしないか悩んでいて、その時相談したのが関口さんでした。
その時、悩んでる僕に関口さんが言ったんです。
「フル参戦しないならレース辞めちゃいな」って。「どうせ同じお金を使うなら、フル参戦する方が得るものが多いから、フル参戦しないなら、レースする意味ないよ。」って。
その言葉にかなりズキーンときて。だから、憧れのライダーは、関口さんとか、酒井大作さんとか、出口修さんとかみたいな自分の力でやっているライダー!
ああいうライダーは僕は大好きで、スゴイと思います。

ロードレースというのはお金がかかる競技だと思いますが、資金はどうしていますか?
僕は、全部自分の実費なので、最初に始めた時は両親に助けてもらっていましたが、やはり金額がすごいので、今はパーソナルスポンサー活動に力を入れています。
地方選手権時代から、何とか応援してくれる方を募り、現在ではありがたいことにたくさんの応援してくれる方がいて、7割ぐらいはそういう方の力を借りて、残りは全て自分で仕事をしたお金で賄っています。

画像2: 岡村選手に聞いてみました。

バイク以外の趣味は?
基本的には、趣味はする時間がないです。仕事とバイクと、空いた時間はバイクのトレーニングだから、バイクが趣味みたいなもんなんですけど、あえて言うならマリンスポーツが好きです。ヨットとか、サーフィンとかダイビングとか大好きです。

トレーニングというのは何をしていますか?
基本的にはアルバイトとスポンサー活動の日々なので、あんまり自分の空いた時間が無くて・・・。
だからするなら、筋肉のトレーニングじゃなくて、できるだけバイクに乗るようにしています。
モトクロス行ったり、ミニバイク行ったり、バイクで使う体はバイクで作りたいと思うので、バイクに乗る時間を作ろうと努力してます。

レース前など、大切な時に必ずやることは?
必ずやること・・・。昔はあったんですけど、必ずこの曲を聴いて、靴は左足から履いてって。
でも、アジア選手権とかに行くと、環境が整ってないサーキットだったり、国をまたぐから色々持っていけない物とかもあって・・・。だから、なるべくジンクスはない方がいいって大先輩の藤原克昭さんに言われて・・・。「ジンクス持ってると、それができなかった時お前どうするの?」って。
「じゃあ、ない方がいいじゃん。」って。
だから、僕はそういうのをなるべく無いようにして、あえて言うなら仏様やご先祖様に挨拶するのと、家族と握手をします。

画像3: 岡村選手に聞いてみました。

今シーズンの意気込みは?
JSB初めてのフル参戦で、テストとかも走ったけど、やっぱりまだまだ勉強不足なところがあるので、まず成長。
結果としての目標は鈴鹿8耐 SSTクラスの連覇!これは絶対達成しようと思ってます。

今まで乗っていた600㏄と1000㏄の排気量以外の違いは?
やっぱり一番分かりやすいのは圧倒的にパワーがあるので、タイヤが2つしかないのは一緒じゃないですか?パワーを生かさなきゃいけない訳ですよ。
600は、ノーマルで、改造できないところだらけだったんですけど、1000ってなんでもやっていいので、自分が試したことが無い項目がたくさんあるから、まずはそれを学ばないと、なにをやればいいかもわからない。そんな状態です。

現在レーシングライダーを目指している若者に一言
本当に自分の意志でレーシングライダーになりたいと思うなら、もっとその意思を強く持たないと。
例えばレースの世界ってうまくいくばかりじゃなくて、ファクトリーチーム(に行けないライダーの方が多いし、契約をもらえないライダーの方が多い。
怪我をして契約を切られるライダーだってたくさん居る訳で、それでもレースが好きならその後も続けたいじゃないですか。
その時にちゃんとやれるだけの先の組み立てを考えてやって欲しいです。
今あるお金で今年1年しかできないっていうのも、もちろん大事なんですけど、違う意味で今年1年でダメだった時に、来年もその業界で続けていく。
続けていけば経験が積み重なっていって、絶対速くなれるはずなので、腐らずにしっかりと意志を固めてやっていくことがすごく大切だと思います。

ライダーとしての最終目標は?
今の僕はレースを始めて8年。8年前の僕、5年前の僕、今の僕と、目標ってどんどん変わるんですよね。
今だったらJSBで上位を目指したい。昔だったら、何も知らなかったから、世界に行きたいって。
どんどん現実的に夢は更新され続けると思うので、最終目標となると、すごく平和な答えになりますが、五体満足でレースを引退したい。
怪我でできなくなったという理由で終わりたくないし、成績が残らないからという理由でも終わりたくない。
ただ、引退を決めるタイミングが来た時に、怪我とか成績不振ではなく、自分の意志で終わりたい。嫌な出来事で終わらせない。
いつまでもバイクレースを好きなままでいたいです。

毎年新しい夢を更新し続けるレーシングライダー岡村光矩選手

画像: 毎年新しい夢を更新し続けるレーシングライダー岡村光矩選手

子供のころから両親と一緒にポケバイからミニバイクとステップアップしてレーシングライダーを目指す。そんなライダー達が主流となっている現代で、20歳を超えてから自分の意志でライダーを志し、現在も戦い続ける岡村選手。
そんな姿を見ていると、夢を追い始めるのはいくつになってからでも遅くないというのを実感させてくれます。

今のモータースポーツの世界で、1個人がレースを続けていくというのは並大抵の努力で叶うものではありません。
だからこそ、岡村選手の毎年更新される新たな夢を追い続ける姿を、これからも見せ続けて欲しいと思います。

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