ネジをいい加減に締めても一応部品は落ちないし、納車前の新車整備をしなくても走らないことはない。無整備でオーナーが車検を受けてもたいていは合格する。だけど、それで本当に安全?そんなバイク整備の基本に注目してみました。今回は、整備の基本中の基本であるネジの締め方についてです。

オートバイ整備の基本はネジを正しく締めることだ

画像1: (Bikers Station©モーターマガジン社) www.motormagazine.co.jp

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ネジを正しく締める際の最も重要な条件は、ネジ山(雄と雌の両方)と座面に異物がなく、スムーズにネジが回ることだ。これが保たれていないとトルクレンチを使っても正しい軸力に近づくことは不可能である。異物が抵抗になって、トルクレンチの示す数値と軸力が想定外の比率となってしまうためだ。
同じ理由で、新品のネジを使う際には、2~3度締めつけてネジ山をなじませる必要がある。一般にこれを〝捨て締め〞と呼ぶ。ここまでをきちんとやっておけば万全かというと、もうひとつ大事なことがある。潤滑をするかしないかがそれだ。車両メーカーのサービスマニュアルには、そのネジごとの締めつけトルクだけでなく、そこにどのような潤滑剤を塗布するのか、あるいは無潤滑で締めるかが示されている。

実はネジを締めることによってボルトが伸び、この伸びたボルトが元に戻ろうとする力を軸力と呼びます。そして、ネジの軸力によって、そのパーツの締結や固定ができるのです。

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どこをどのくらいの軸力で締結・固定すればいいでしょうか。

バイクの世界では、その数値を軸力から締めつけトルクに置き換えて車両メーカーが公表しています。整備は、この数値を基に行うのが基本で、トルクレンチなどの工具を使用し、その数値を基準にネジを締め付ける事が大切なのです。

そして、トルクレンチを使用する時は、トルクレンチを可能なかぎり途中で止めずに、ゆっくりと動かすことが重要となります。なぜなら、もし途中で締めるのを止めてしまうと再びネジを回すのに必要な力が過大になってしまう可能性があるのです。

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