相手はWBA世界ミドル級チャンピオン ダニエル・ジェイコブス。事実上の世界タイトル統一マッチだ。
近年稀に見る超強打者同士の激突
ゲンナディ・ゲンナジービッチ・ゴロフキン、の頭文字をとったGGG(トリプルジー)のニックネームで知られるゴロフキンは、現在世界タイトル17連続KO勝利中だが、ジェイコブスも90%近いKO率を誇る超がつく強打者。恐ろしくスリリングな試合になることが予想された。
ゴロフキンは2008年11月から続く23連続KO中、かつ この試合もKOで勝てば、世界タイトルでの連続KO記録を更新することになる。
ゴロフキンは均整のとれた、ナチュラルボーンのミドル級の体格を持ち、しなやかな印象。対してジェイコブスはよくビルドアップされた筋骨隆々のカラダである。ジェイコブスは回転力の速い連打が特徴だが、ゴロフキンは当て勘の良さと柔らかな体を利した効率の良い攻撃を誇る。さらにいうと、ゴロフキンの拳は硬いことでも有名で、防御をしていても当たると石で叩かれたような痛みと衝撃を相手に与えるという。
いつものようにやや前傾姿勢で隙あらばスルスルっと前進して攻撃するゴロフキンに対して、ジェイコブスは右や左(彼は右利き)にスイッチしつつ対抗する。試合はゴロフキンが序盤(4R)にダウンを奪ってリードした状況で進んだ。
ゴロフキンの連続KO防衛を阻んだジェイコブスは、負けて能く評価をあげた
連続KO防衛記録がかかったこの試合だったが、戦前の予想以上にジェイコブスは強かった、と言えるだろう、ゴロフキンは辛くも勝利を納めたものの、KOを逃す。
ゴロフキンは試合終了後も綺麗な顔をしており、勝敗自体は順当であったと言えるが、ジェイコブスの意外なほどのパワーとスピードが観客に強い印象を与えたゲームだったかもしれない。
ゴロフキンにとっては初のフルラウンドでの防衛。
34歳となった彼にとって、ややピークを過ぎた?という疑問符を残した試合となった・・・。