人間社会に戻ったターザンが、再びジャングルに還っていく
英国貴族として何不自由のない暮らしをしていたジョン・クレイトン(ターザン)と妻のジェーンは、ベルギー領となったコンゴの先住部族たちを対象とした奴隷問題を調査するため、米国人ジョージ・ウィリアムズ博士とともに、懐かしのコンゴに帰還する。
しかし、それはコンゴの財政難を打開するためにダイヤモンド採掘を目論むベルギー王レオポルド2世の罠だった。レオポルド2世はコンゴ奥地に存在するダイヤの鉱脈を握る部族の協力を得る代償として、彼らにターザンを引き渡すという密約をしていた。部族の長ムボンガは、一人息子の仇としてターザンを憎みきっていたのである。
コンゴに到着したジョン一行は、レオポルド2世に雇われた傭兵たちに襲われ、ジェーンがさらわれる。ジョンはウィリアムズ博士とともに、ジェーンを取り戻すために傭兵たちを追う。そして彼は徐々に身中に棲む野生を蘇らせ始め、英国貴族ジョン・クレイトンからジャングルの王者ターザンの姿を取り戻してゆく。
クールでスタイリッシュに生まれ変わった新生ターザン映画
囚われたジェーンは、傭兵たちの首領のロムに気丈にこう言い放つ。
「普通の男でさえ、愛する女のために奇跡を起こす。まして野生の王者なら?」と。
その言葉の通り、ジョン・クレイトンはターザンに戻り、多くのジャングルの動物たちや仲間の部族を率いて、傭兵たちが待ち構える拠点へと攻めかかる。
本作はこれまでのターザン映画とは一線を画し、ワイルドな中にもキレとハレの要素を強く持つスタイリッシュなアクション映画になっている。裸のマッチョが腰蓑ひとつで暴れまくるかつてのターザン映画から、クールで洗練された現代的なヒーロー映画へと生まれ変わっているのである。