1986年GPデビューの大ベテラン!
日本のモータースポーツファンにバロスの名前が広く浸透したのは1990年のことでしょう。1985年にブラジル国内選手権250ccのタイトルを獲得したバロスは、当時のGP80ccクラスで1986年から世界選手権参戦を開始。その後GP250ccクラスを経て、1990年にイタリアのカジバのGP500ccクラスのファクトリーライダーに大抜擢されます。
日本のGPマシンに比べ、戦闘力の劣るカジバでバロスは奮闘。1991年はイタリアGP4位、1992年はオランダGPで3位表彰台獲得・・・と、ライダーとしてのポテンシャルの高さを世界に示しました。1993年はスズキファクトリーに移籍。最終戦FIM GPで、自身初のGP勝利を記録しました。
その後複数のホンダのサテライト系チーム、そしてヤマハとホンダの両ファクトリーに抜擢。GP500ccクラスからMotoGPへ移行した2002年の活躍(ウェスト・ホンダ)は、多くのモータースポーツファンの記憶に残っているでしょう。なお1999年には岡田忠之と組んで、鈴鹿8耐久にも優勝しております。
2006年はSBKを走りましたが、2007年にはGPに復帰。プラマック・ダンティンのドゥカティですごしたシーズンが、バロスの長いGPキャリアの最後となりました。彼は現在故郷ブラジルでアレックス・バロス・レーシングを主催し、後進の育成に励んでおります。
教え子たちは、偉大なる師を乗り越えないとダメですね!
昨年のブラジル選手権第9戦(最終戦)のSBKクラスでは、バロスがGPから退いて久しい今も、速さをちゃんとキープしていることを証明しました。
第1ヒートでは有望な若手のダニロ・ルイスに次ぐ2位でゴール。そして第2ヒートではファステスト・ラップ記録のオマケ付きで見事優勝! なお彼のチームのライダー、ディエゴ・ピエルルイジは3位で師匠と一緒に表彰台にあがりましたが、やっぱり師匠に勝たないと、師匠もホントには喜べないのかもしれませんね・・・?
こちらの動画は、レース2の模様をおさめています。55分超のフル動画なのですが、ぜひバロスの走りを見ていただきたいですね! それにしても・・・今回はゲストライダーとしての参戦みたいですが、これだけ速いなら今年はフル参戦・・・そして王者となって世界選手権へカンバック・・・まぁそれは夢物語ですけど、同世代としては彼の活躍は励みになりました!