物語の背景を、ちょっと説明しないといけませんね?
FIA WECに興味がない方でも、モータースポーツに全く興味がない方以外は、近年4輪の耐久レースでアウディが大活躍していたことは、なんとなく耳にしたことがある・・・と思います。とりわけ、最も知名度のあるルマン24時間耐久レースでのアウディの強さは凄く、過去18年で優勝13回という高い勝率を残しています。
一方、伝統的に耐久レースでその存在感を誇示してきたポルシェは、2014年からFIA WECの最高峰であるLMP1クラスに参戦を再開。昨2015年はルマン24時間耐久を制し、WECのドライバーズとマニュファクチャラーズの両方でタイトルの獲得に成功。そして2016年も両部門を制し、アウディの最大のライバルに短期間のうちになったのです。
アウディの撤退を受けて、ポルシェはライバルが撤退するのは非常に残念・・・というメッセージを即座に発表しました。このビデオは、そのことを理解して見ないとちょっとピンと来ないかもしれません。なお、ビデオに登場するのはポルシェがかつて生産していたトラクターで、ビデオの中ではポルシェの象徴として描かれています(ポルシェトラクターのネタは、下記リンクの過去記事をご参照ください)。
ポルシェのトラクターを追い抜くアウディ耐久レーサー・・・
ライバルがいてこそのレース・・・物語の続きが楽しみです!
オチをばらすと、おじいさん=ポルシェは、アウディに「帰ってきて!」のメッセージを残すのです。モータースポーツは勝者を讚えるものですが、競争相手がいないと勝者は存在しないです。つまり、競う相手がいてこそ、勝者の誉は得られるものなのです。
ライバルを失ったポルシェがライバルの退場を喜ぶのではなく、そのことを悲しむ・・・綺麗事のように思う人もいるかもしれませんが、分野を問わずちょっとでも真面目に競争をしたことがある方なら、ポルシェのアウディに対する想いは理解できると思います・・・。
ポルシェの想いに応えて、アウディがまた耐久レースの世界に早く帰ってきてくれることを願います。そんな・・・ちょっと胸アツな動画を、ぜひご覧くださいませ。