ベースは名機、101スカウトでしょうか?
こちらの動画は、私も参加させてもらっている古いツインショック・トライアルをメインに、トライアルを遊ぶ TRIC TRial In Classic Meeting さんのFacebookページで紹介されていたものです。
動画の画面から推察するに、この赤いインディアンは1928〜31年の間に作られた101スカウト(Vツイン・サイドバルブ・745cc)でしょうか? フロントブレーキが装着されていないのがオリジナルのままならば、1927年以前の606ccのスカウトかもしれませんが・・・。ちょっとわかりませんでした・・・。
ちなみに、ロレンス読者の皆さんにも大人気の映画「世界最速のインディアン」の主人公、バート・マンローの愛車は1920年型のスカウトを改造したストリームライナーでしたね。
当然? このインディアンはスタンダードの仕様のままではなく、フートレストはいわゆるフートボードを取り外し、トライアル・セクションを走りやすいように車体の後ろ側に取り付けられています。左足で操作するクラッチは、長めの手で操作するレバーに交換。クラッチは切りっぱなし・繋ぎっぱなしにできるのですが、乗車中は繋ぎっぱなしでクラッチ操作をすることなく、スロットルワークだけでセクションを攻略しているようです?
道具に頼らなくても、トライアルは楽しめる・・・わけですね?
私、かなり前に雑誌の仕事で101スカウトに試乗したことがありますが、現代のモーターサイクルに乗り慣れた人にとっては、その操作にはきっと面食らうかと思います。
スロットルは左手でツイスト! 一般的なモーターサイクルで右スロットルにあたる部位は、点火時期の進角調整に使います(これらを逆にする、オプションも用意されていました)。先述のとおり、クラッチペダルは左足で操作。そしてギアボックスのシフト操作は、右手のハンドチェンジ・・・となります。長年仕事や趣味で、戦前から現代のモーターサイクルにアレコレ試乗した経験を持つ私でも、やはり101スカウトの操作に慣れるにはしばらくの時間がかかりました。
そのときの試乗の印象や、モーターサイクルを使ったサーカスの演目、「ウォール・オブ・デス」で101スカウトが曲乗りでの使いやすさから長らくライダーに使われ続けた事実などを考慮すると、上手い人が乗れば意外と101スカウトは優れたトライアルバイクになるのかもしれないな・・・と思いました。
4ストロークVツインを搭載する比較的重いモデルとはいえ、装備重量で170kgというのはオフロードで乗れないほどの重さではありません。そして、101スカウトのエンジンは低速域から非常に扱いやすいので、土の上でも躊躇なく踏み込んでいけそうな気がします・・・。
もちろん、現代のトライアルのような大ステアケースや断崖絶壁は当たり前のセクションはクリアできないでしょうが、草トライアルでおなじみ?の「ナメクジ走法」(=ぴょんぴょん跳ねたりせず、基本的に路面に前後タイヤの両方が常に接地する走り方)ならば、上手いライダーならばそこそこ走れることが、この動画では証明されています。
ともあれ、スムーズにセクションを走るインディアンVツイントライアラーの走りは見ものです! ぜひ動画をご覧になってみてください。