俺の愛車はトヨタスポーツ800。そうヨタハチ。今日もHONDA S600、通称エスロクをこよなく愛するダチと口論になっている。別に喧嘩しているわけじゃない。いつものじゃれあい、いわば儀式みたいなものなんだ。
『GTroman』NOSTALGIC CAR CLUBより
『GTroman』NOSTALGIC CAR CLUBより
ミニなんて目じゃねえぜ、と奴は言う。
だけどお前のエスロクはあまりに貧弱、もはや俺のヨタハチの敵じゃないぜと俺。
そんないつもと変わらない言い合いの挙句に、俺たちは互いの愛車のキーを持って外に出る。そう、恒例のバトルを始めるのさ。
正直言うと、ドライブテクでは奴にはかなわない。排気量の差でなんとかデッドヒートを演じちゃいるものの、こいつのマシンがエスハチじゃなくてマジでホッとするよ。
他のダチには「お前らもいい加減、車乗り換えろよ」「現代の車はもっと速いぜ」なんて呆れられるけど、俺はヨタハチから乗り換えるなんて考えられない。奴もそうだろう、エスロクと添い遂げる覚悟だろうさ。
一度惚れたらとことん惚れまくる。それが俺とこいつの流儀、そういうことなのさ。
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