市場からはさまざまな”モスキート音”が発せられている。そのか細い音を聞き分けて、新たな金脈を掘り起こせるかどうかは経営者が、そんなモスキート音を聞くことができる若者を身の回りにおけるかどうかにかかっている。(Mdn Interactiveより)

聴覚の老化によって聞こえなくなるモスキート音

「モスキート音」。きっと、この言葉自体を知る人は多いだろう。
モスキート音とは17,000ヘルツ前後の高周波であり、耳元の蚊のような不快な音なのでその名がついた。そして、このモスキート音は、20代前半を過ぎる年齢から徐々に聞こえなくなる。聞こえないのは耳の老化であり、モスキート音が聞こえるか聞こえないか、それが若いか若くないか、というひとつの境界線である。

画像: Hearing Test - Mosquito ringtone TeenBuzz www.youtube.com

Hearing Test - Mosquito ringtone TeenBuzz

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SNSと呼ばれるITサービスにはいま、まるで”モスキート音”のように、明らかな境界線が存在している。大人にとってはSNSは、イコールFacebookであり、Twitterだろう。しかし、10代や20代前半の若年層にとってのSNSは、いまやInstagramであり、Snapchatであり、MixChannelである。そしてまた、歌をシェアするnanaというSNSまで台頭してきた。

そう、年齢によって利用するSNSは明らかに異なり、分別されているのである。

大人は人脈、若者は興味・関心で紐づく

Twitterは日本の若者にはまだ支持されているようだが、同時に30代以上の“大人”にも多くの利用者がいる。逆に言えば、これは中途半端であり、どっちつかずとなり、それが彼らの衰退を招いていると言っていいだろう。

Facebookがmixiを駆逐したのち、SNSと呼ばれるサービスはWebからモバイルアプリへと主軸を移した。Facebook以前のSNSは、まずIT業界に働く”大人”がその存在に気づき、使い始め、そして正式に輸入されて普及していった。つまり、知識ある大人のフィルターを経てから普及したのだが、Facebook以降のSNS、具体的にいえばInstagramやVine、Snapchatなどについては大人の利用者が増える前に、10代から20代前半の若年層に根を張っている。InstagramやSnapchatの使い方を本を買って勉強するのは大人だけで、若者たちにそうしたレクチャーは必要がない。

また、nanaは歌、Instagramは写真、Vineは動画、といったように、若年層にウケる新興SNSはコンテンツを軸につながる、昔の言い方で言えばインタレストグラフ型のSNSであることが特徴だ。FacebookやLinkedInなどは人間関係、もっといえば人脈で繋がるソーシャルグラフ型であり、あきらかに異なっている。

古今東西、若者(若年層)はたいてい中高生だったり大学生といった年代だ。だから人間関係は学校のクラスや地域の大きさでクラスタリングされているため、そこをSNSに頼る必要がない。また、Facebookのようなソーシャルグラフ型のSNSの必要性がそもそも薄いし、リアルの人間関係を模すことで先生や親と繋がるのはまっぴらごめんなのである。つまり、どういう事かというと、コンテンツ軸のインタレストグラフ型でなければならない。結果的に中高年層と若年層の間には、明確な境界線が引かれることになったのである。

市場のモスキート音をききとるために

ちなみに、読者のみなさんは、nanaについては聞いたことがないかもしれない。
nanaは既に200万ユーザーを抱え、急成長している。Facebookが完全に抑えてしまったソーシャルグラフ型のSNSの世界、大人向けのSNSの市場では、とてもつけいる隙はないから、新興企業がSNSで起業するなら若年層向けの市場に向かうほかないし、フォーカスすべきコンテンツをうまく引き当てればチャンスはあるだろう。音楽をキーにしたモバイルアプリとしてはShazamがあるが、果たしてnanaはこのまま成長曲線を維持していくことができるだろうか? チャンスは大きいが、難易度も相応に高いという気がする

さて、最後にまとめておくが、市場からはさまざまな”モスキート音”が発せられている。そのか細い音を聞き分けて、新たな金脈を掘り起こせるかどうかは経営者が、そんなモスキート音を聞くことができる若者を身の回りにおけるかどうかにかかっている。

若者と仲良くしよう。彼らの耳を頼り、自らの熟練の手腕を授ける意思を持つことが、今後の経営者の資質となる、僕はそう考えている。

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