一般論として、現在自動車に使われている主な4ストロークエンジンは、カムシャフトで吸気・排気バルブの開閉をコントロールしています。しかし世の中には、このカムシャフトを排した4ストロークエンジンを作ろうとしている人もいるのです!
カムシャフトをなくすことのメリットは?
今回紹介するのは、ケーニグセグが開発している「フリーバルブ」システムです。このシステムにおいてカムシャフトの代わりを勤めるのは、電気と油圧で動きを司るアクチュエータです。
機械式のカムシャフトは、カムロブのプロファイルに沿って、吸気・排気のバルブに一定の動きを繰り返させます。市販されているエンジンのなかには、可変カムプロファイル機構などもありますけど、カムロブのプロファイルに沿うという基本は一緒です。
一方アクチュエータを使った場合、バルブの開閉の自由度はかなり広がります。一般的なカムシャフトでは不可能なバルブタイミングを(吸気・排気のバルブ同士、またはピストンクラウン部とそれぞれがぶつからない限り)、設定することが可能になるのです。
将来の発展が期待されるメカニズムですね。
ケーニグセグによると、一般的なカムシャフトのある4ストロークエンジンに比べ、フリーバルブ採用エンジンは出力とトルクが30%アップ! そして燃費とローエミッションも30%向上するとのこと! なんと良いこと尽くめでしょうか! またフリーバルブシステムでV型8気筒を作った場合、低燃費や低公害に貢献する気筒休止メカニズムとかも、カムシャフト式4ストロークよりも簡単に採用できるのがメリットです。
まぁエンジンの素人の考えですけど、このメカニズムのネガティブ面をあげるとすれば、電気・油圧のトラブルが生じるとエンジン内部が激しく壊れるリスク大・・・とか、電気と油圧の補機類が増えてしまいコスト増とスペース増に結びつきやすい・・・とかでしょうか?
でも、今までカムシャフトでは出来なかったバルブタイミングの4ストロークエンジン、ぜひクルマやモーターサイクルで試してみたいのは私だけでしょうか? これからの開発・展開に期待しましょう!