70年代後半、時代遅れと言われたZ1でワークスに挑んでいた男
1978年第一回鈴鹿8時間耐久レースに参戦したモリワキレーシングは、Z1レーサ ーにグレーム・クロスビー、トニー・ハットンのペアで快走。ガス欠によるピットイン作業でトップを明け渡すものの、後半の猛追で3位入賞の快挙を成し遂げた。
1981年の鈴鹿8時間耐久ロードレースに向けた初走行でワイン・ガードナーがいきなりコースレコー ドを出したマシン。 それがモリワキ製のオリジナルZ1だったのだ。
モリワキエンジニアリング代表:森脇 護
1944年生まれ。ヨシムラを経て独立後、モリワキエンジニアリングを設立。70年代後半、プライベーターとして、Z1でワークスに挑み、数々の戦績を挙げる。チューナーとして、数々のマシンを造り出し、監督として多くの優れたライダーを発掘したことでも知られる。
「Z1は元々ヨシムラのおやじが使ってたんですよ。それがスズキのサポートを受けるようになったんで、それなら俺がやる、と言う事でZを使うようになったんです。元々うちはCBの125で125クラスに参戦してたんだけど、それがZなら排気量もでかいし、簡単にパワーが出せるってこともあってクラスを変更したんですよ」
元々、ヨシムラジャパンの創立者、吉村秀雄の弟子だった森脇 護さん。弟子として技術を受け継ぐと共に、レースで使っていたZ1も受け継いだモリワキ。その後数年に渡り、モリワキモンスターを生み出し続けます。
これらモリワキモンスターは、全て素晴らしいパフォーマンスを発揮し、現在でも多くのファンを持つマシンとなっている。誰もが遅く鈍重だと思っていたZ1を誰もが憧れる名車に育て上げたモリワキ。現在の夢は、自分たちの力でエンジン以外ゼロから設計しMotoGP moto2 クラスのコンストラクターチャンピオンになる事だそう。これからのモリワキがどういう車両を作っていくのか注目していきたいと思います。