気持ち良い走りを 再び引き出す解決法とは (ROTARY BROS.@モーターマガジン社)
ハンドリングの良さが魅力のRX-8だけど、走行距離が伸びると、最初はよく感じたフィーリングも変わってくる。走行安定性にも優れ、高速スタビリティが抜群だったRX-8の走りが、経年劣化によって少しずつ変化し、安定感に欠け、接地感が薄くなってしまう。
もし、そんなことを感じるようになったら、そろそろサスペンション全般の見直しが必要だと考えたい。
何年経っても、RX-8オーナーは愛車をかなり大事にしている人が多いこと、そして、元々ボディーがしっかり作られている事によって、見た目の劣化は比較的少ない。それでも、サスペンションを構成する部品がヘタッてくると、不快な振動やオン・ ザ・レール感覚のハンドリングの良さが失われていく。そうなると、サス・ショックはもちろん、前後のアームにマウントされているブッシュ部分、そして、アライメントを含めた全体のバランス等をリフレッシュする事が必要になってくる。
フロントアッパーアームは1G締めが基本
RX-8の足回り交換は、1G状態での組み付けが基本になる。これをやらずに足回りを交換し、ボルトを締めてしまうとブッシュが ねじれた状態になり、ブッシュそのものが破損するトラブルが発生する。特に注意が必要なのがフロントのアッパーアームに取り付けられたブッシュで、知識があまり無いところで交換作業をすると、けっこうな確率でブッシュが切れてしまっていることがある。足回りを交換する場合は、ジャッキの支えをなくしてから本締めしたい。
車の足回りを触る上で、一番重要なのはやはり知識。自分の体を全て預ける車だからこそ、間違った浅い知識で触らない事が重要だという事を再確認して欲しい。
デフオイル管理
RX-8のデフオイル管理は大切。なぜなら温度上昇が激しいからだ。では、なぜ温度が上がってしまうのか?実のところオイルの容量自体は問題ないが、一番の原因はマフラーのレイアウトにある。RX-8のマフラーレイアウトはテールタイコ手前側の排気管がデフケースの横ギリギリに接近している。このマフラーからの熱の影響で、余計な負担がかかってしまうのだ。サーキットを楽しむクルマの場合は、特にデフオイルの劣化スピードも早くなるから注意が必要。
車の元々のレイアウト上劣化しやすいRX-8のデフオイル。そして、エンジンオイルの温度も上がりやすい車と言われている。そんなオイル関係の温度管理には、ツインオイルクーラーを装着する事もおすすめ!
リア側の気になる音
走行中に発生するカタカタやコンコンという音はオーナーにとってはかなり耳障り。RX-8の場合は、特に後方下回りからコトコトと何かが干渉しているような音が聞こえてくることがある。原因は、マフラーのフランジ部分についているスプリングという説がある。RX-8のマフラーはスプリング支持によってジョイント部にテンションがかけられている。若干のボルトのゆるみやテンションの偏りで、音が出ることがあるので、マフラーをもう一度組み直して様子をみたい。
車が古くなってくると、気になる異音を奏で始める。それはRX-8も例外ではない。その場合、全てリフレッシュを考えるのではな、ボルトの緩みなど、基本的な部分を見直すことも忘れない事も大切です。