YAMAHAが作り上げた強さと速さを両立した 2015年チャンピオンマシン
:YZR-M1

画像1: #99 ホルヘ・ロレンソ車(Racing オートバイ MotoGP GRAPHICS 2016@モーターマガジン社) www.motormagazine.co.jp

#99 ホルヘ・ロレンソ車(Racing オートバイ MotoGP GRAPHICS 2016@モーターマガジン社)

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2年続けてRC213Vに敗れたYZR-M1。もう負けられないヤマハは、敗因を徹底分析しロレンソが最多勝、ロッシが全戦ポイントを獲得。爆発力も安定性も高い最強マシンを作り上げたのだ!

2014年シーズンにホンダに18戦中14勝を許してしまい、完敗という結果に終わったヤマハは、ホンダのRC213Vのマルク・マルケス打倒を目標にマシンの改良を重ね、2015年シリーズを戦った。

「まずは敗因の分析、ホンダ勢にどこでしてやられたのかを考え、そこを重点的に進化させたのが 15年モデルです。 ライダーは常に精いっぱいやっています、14年はハッキリとバイクで負けていたシーズンだったんです」とは、モトGPプロジェクトリーダーの津谷晃司さん。

ハッキリとバイクで負けたと断言出来るほどの性能差。それを埋める為の試行錯誤は2014年の後半シーズンの結果を見れば明確で、逆転優勝!とはいかないまでも、ロレンソとロッシが9戦中4勝するという追い上げを見せた。

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「もちろん、14年シーズンから対策は打っていました。ライバルに負けていたのは、特にコーナー進入で、シーズ ン中はエンジン開発が凍結されていますから、まずは車体や電子制御で対策して15年モデルへの方向性を探っていたんです。それをうまく15年モデルにつなげられたのが、開幕からチャンピオン争いをリードできた要因だと思います」

コーナーの侵入という事は、ブレーキング。どれほどブレーキングのうまいライダーがマシンを操作しても、そのブレーキングの激しさに耐えれるマシンでないと、意味がないのだ。

「この数年取り組んでいることですが、まずはさらに激しいブレーキングが可能なマシンを狙いました。当然、これは車体構成だけではなく、エンジン特性や電子制御のセッティングも関係し てくる。車体に関しても、前後重量配分やフレーム剛性の取り方、ジオメトリーなどを含め、かなり大きく変更しています。その変更に対応するよう、ふたりのライダーに乗り方を少しアジャストするよう進言もしましたね」

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motoGPライダーのブレーキング。 1.5G以上ともいわれる減速で発生するエネルギーがフロントタイヤにかかるといわれている。そのエネルギーに耐えきれるフロントの構造が必要なのだ。その、激しいブレーキングをフロントで耐えつつも、リアを浮き上がらせないようにする構造、もっと言えば、ブレーキングで発生する大きなエネルギーをうまく分散できるフレームやリアの構造が必要という事になる。

「フロントタイヤだけに負担をかけず、ブレーキング時にリアタイヤにも仕事をさせたい。もちろん、車体だけでなく、エンジン特性も電子制御も関係してくることですが、かなりブレーキングに強いマシンになりました。ただし、まだ『直立のときのブレーキング』だけでした」

直立の時のブレーキング。アクセル全開からの最初のブレーキのかけ始めという一番フロントに負担がかかる部分に強いマシンに仕上がっても、そこからマシンを寝かしこんでいく部分に関してはまだまだという。ブレーキングの全てに強くなった訳ではないと、語るプロジェクトリーダーの言葉とは裏腹にライダーが1・2フィニッシュ、メーカーとチームタイトル も含んだ3冠を達成したヤマハ。もし、その部分が完璧になっていたら、シーズンを通して完全な独走状態だったという事でしょうか。想像するだけでワクワクします。

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そんな、最強のブレーキングマシンと言っても過言ではないチャンピオンマシン、2015YZR-M1を作り上げたYAMAHAの2016年シーズンの新たなる戦いが開幕した。

「 16年シーズンは、タイヤが変わり、ソフトウェアも変更されるという、大きな変更がある。正直、マシン開発に重要な大きな要素がふたつも変わることで、開発の軸が定まりにくいという状 況ではありますね。たとえば、上手く走れない時、それがECUのせいなのか、タイヤのせいなのかわかりにくいし、タイヤもECUも開幕までスペックアップしてくるだろうから、シーズンが開幕してからではないと、マシンにどういう問題が起こるのかが予想つかないんです。もちろん、全メーカーとも同じ事情で、そこはイーブンですが、先が不透明ではありますね」

タイヤとECUという大きなレギュレーション変更があった2016年のmotoGP。そして、それでも開幕戦を制するという快挙を成し遂げた2016YZR-M1。いったいどんな展開を見せるのか、楽しみすぎて目が離せません!そんなmotoGP第2戦アルゼンチンGPは明後日!4月3日!!大注目です。

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