みなさんがハーレーダビッドソンに抱くイメージとは、いったいどんなものだろう。
重厚感のある巨体を運ぶVツインの鼓動?クールでいかつい男?ホットでセクシーな女たち?思い思いに施されたカスタム??

そのどれもが当てはまる。シンプルなのに複雑。パワーやスピードといった数値では測れない魅力。
それがハーレーダビッドソン、というモーターサイクルだろう。

画像: 進化するハーレーダビッドソンの世界・・@第43回 東京モーターサイクルショー

ハーレーダビッドソンというオートバイを乗る人の、大多数がノーマルでは乗っていない、なにがしかのカスタムを施して、自分好みの愛車に仕上げてあるという。(そもそもメーカー純正のカスタムパーツの種類も数も潤沢で、ハーレーのディーラーの店舗先で人とは違うスタイリングを組み上げてもらうことも簡単だ。)

もちろん、メーカーとしては社外品によるカスタムを、ユーザーに積極的に勧めているわけではない。そもそも、オートバイをカスタムするのも自由。ハーレーダビッドソンは乗り手の発想をカタチにするためのキャンバスであり、その発想の方向性をユーザーに押し付けるようなことはなかったのだ。それは、工業製品を作り、販売するメーカーとしては当たり前のスタンスではある。

しかし、近年、モーターサイクルカスタムが世界的に流行し、新しいカルチャーとして広がりはじめた。ロレンスでも頻繁に紹介しているように、世界中で多くのカスタムビルダーが思い思いのカスタムバイクを公開し、カフェレーサーやボバーのような60-70年代に流行したスタイルを現代的な解釈で取り入れ、ネオクラシック、モダンクラシックといえるブームが到来ているのだ。


こうした動きを敏感に察知したメーカー側も、カスタムの素材、カスタムのベース車両となり得る新車の提供をマーケティングの戦略として取り入れ始めた。BMWにおけるR nineTや、YAMAHAのXJR1300などがそうだし、ハーレーがリリースしたSTREET750もそうである。

去年のモーターサイクルショーでは、BMWがR nineTのみならずK 1600 GTLの大胆なカスタム車両を披露して話題を呼んだが、今年の東京モーターサイクルショー 2016では、ハーレーダビッドソンが、カスタムプロジェクト STREET BUILD OFFを通じて生まれた5台のカスタムSTREET750を、ブースの最奥部に堂々と鎮座させ、来場者の目を引いている。その意味で、今年の東京モーターサイクルショーの展示で、最も”今の気分”を象徴したのは、ハーレーダビッドソンのブースであったように思う。


メーカーカスタムの象徴といえるCVO™を始め、メーカーが考える最良のオートバイの提案も健在のうえ、オーナーの創造性に任せるキャンバスとしての車両を同時に提供する柔軟さ。
今年のハーレーのブースにはそのハイブリッドな 気分 が濃密に漂っていたのだ。

ハーレーにまたがるだけで”不良少年”の気分が蘇る

ハーレーダビッドソンというオートバイを買うということは、比較的高価な買い物をする、ということだ。だから実際のオーナーは裕福な方が多いと思われる。
彼らが買うものは移動手段でなく、自由の象徴そのものであり、何者も怖くなかった十代の頃の鋭利な精神のリバイバルのきっかけを得ることである。ハーレーダビッドソンにまたがれば、その瞬間に”あのころ”の自分たちに戻ることができる。強い鼓動に体を任せれば、それで日常から非日常にスイッチを切り替えることができる、魔法の道具なのだ。

下の写真はファクトリーカスタムとしてリリースされたローライダーSだが、 "こうやったらかっこよくなれるんだぜ" と見本を示されたかのようだ。
(これは人それぞれの好みの問題だろうが、私は、こういうドラッグマシンスタイルが実は大好きなのだ)

画像: 黒く、低く、獰猛。ファクトリーカスタムの見本のような一台。

黒く、低く、獰猛。ファクトリーカスタムの見本のような一台。

画像: ドラッグスタイルにビキニカウル・・・誰でも不良少年に戻れるというものだ。 www.harley-davidson.com

ドラッグスタイルにビキニカウル・・・誰でも不良少年に戻れるというものだ。

www.harley-davidson.com

カスタムシーンを牽引していく強い意志をハーレーのブースで感じてみよう

STREET750は、ハーレーダビッドソンのラインナップでは最も排気量が小さいモデルだ。(STREETには500ccのモデルもあるが日本国内では未発売)。だから必然的に価格も最も低くなる(850,000円〜)。100万円を大きく切る価格でハーレーダビッドソンが手にはいる、ということももちろん嬉しいことだが、先述したように、STREETは、カスタムのベース車両として位置付けられている。
ヨーロッパでは日本車を中心とした旧車、それも比較的不人気車がかえってカスタムベースとして重宝されているが、それはそれらのマシンが入手しやすく、希少車としての価値がないからこそ思い切ったカスタムをすることへの金銭的にも心理的にも負担が少ないからである。

STREET750は水冷750 cc Revolution X™ Vツインエンジンを搭載し、文字どおり都会のストリートで、車の流れを縫って走るために開発された、スリムなマシンである。CVOに見られるようなど迫力のカスタムマシンは、所有者にハンパない満足感を与えてくれるが、昨今流行しているのは中・小排気量車をスリムなカフェレーサーやボバースタイルに仕上げるやり方だ。
そのやり方に即したマシンがいまやハーレーにもある。スポーツスターシリーズもある意味そうした役割を果たしてきたと思うが、さらにリーズナブルな金額で、カスタムしやすい構造を持ったSTREETという提案をしてきたところに、ハーレーがカスタムカルチャーを真に理解している証左であると感じるのだ。

画像1: カスタムシーンを牽引していく強い意志をハーレーのブースで感じてみよう

画像2: カスタムシーンを牽引していく強い意志をハーレーのブースで感じてみよう

いつまでも少年の心を忘れない、しかし日常の生活では社会に役立つ仕事をこなしながら、正しく野心を持って、自分自身の成功を目指して懸命に働く。しかし一度ハーレーにまたがれば、非日常の世界に軽々と飛び込む。そんな魔法の道具への期待を、男ならハーレーに抱く。

とはいえ、自己満足こそ大事だが、もちろん女性の視線も気になる、というものだ。ハーレーダビッドソンのブースでは、オートバイばかりに夢中になることを、簡単には許してくれない仕掛けを常に施す。男よりも男気のあるクールな美女が闊歩し、強い眼差しと自信たっぷりの微笑を寄せてくるのだ。
ハーレーダビッドソンのマシンたちはみな大柄で、その巨体に怯む姿を見せようものなら、彼女たちの冷笑を買うかもしれない・・・なぜなら、彼女たちがひとたびハーレーにまたがれば、 私たちでも乗りこなせるわ といわんばかりの力強いマッチングを見せてくれるからだ。

もはや男も女も関係ない。
ハーレーダビッドソンのブースに行けば、モーターサイクルの新しいカルチャーの萌芽を感じることができるはずだ。

画像3: カスタムシーンを牽引していく強い意志をハーレーのブースで感じてみよう

ハーレーダビッドソンジャパンのファレル社長

画像: ハーレーダビッドソンジャパンのファレル社長

昔からのブランドイメージ、ブランド価値を大事にしながら、新しい挑戦を続けるハーレーの姿勢を、今回の東京モーターサイクルショーのハーレーダビッドソンのブースから強く感じることができたが、ブースでは運良くハーレーダビッドソンジャパンのスチュアート・ファレル社長に話を伺うことができた。
ハーレーに限らず、オートバイメーカーはこれまで、マーケティングの主軸は雑誌などの紙メディアを中心に行ってきたが、今後はデジタルへの注力を強める方針だという。
また、ディーラーとの関係は常に良好ながら、今後も市場に合う製品を迅速に潜在顧客にお届けできるよう、さらに関係強化に努めていくとのことだ。

2016年のハーレーダビッドソン。
これまで以上にアグレッシブな姿を期待しよう。

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