現在、ありとあらゆるメディアにおいて、コンテンツ消費の最小単位はどんどん細かく小さくなっている。


一般社団法人 日本レコード協会の統計によれば、2015年に発売されたCDは、約16,000枚(邦楽:洋楽=10,000:6,000)。ダブっている曲もあるだろうし、複数曲を含むCDももちろんあるから、明確な曲数はわからないが、ざっくり30,000曲はあると思っていいだろう。


このうち、我々が覚えている曲、せめて聞いたことがある曲はどれだけあるだろうか。というよりも、1曲を通してフルコーラス聴いたことがある曲は、どれだけあるだろう。


例えば、最近話題の人気アーティスト ゲスの極み乙女の代表曲「私以外私じゃないの」は、さすがに知っているのだが、実はサビの部分しかとっさにフレーズを思い出すことができない・・・。あなたはいかがだろう?
つまり、音楽というコンテンツは、CDというパッケージどころか、3-5分程度の一曲分のパッケージさえ、完全に消費してもらいづらくなっている。もはやコンテンツの消費単位としては、フレーズ単位になっている。


フレーズを超えた、長尺の楽曲とその集合体としてのパッケージは、もはやライブの中でしか成立しない。
そして、この変化に敏(さと)いアーティストは、CDを含め、楽曲そのものはほぼライブへの集客ツールと悟り、それらを細分化してでも極力多くのリスナーにリーチさせ、お金を稼ぐのはライブ、と心得ている。マドンナやプリンスなど、往年のスターはその実践者と言える。

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