チューニングされても 優等生ぶりは健在 (ROTARY BROS.@モーターマガジン社)
03年、まったく新しいロータリースポーツが世に送り出された。言うまでもなくRX-8のことだが、最 大のセールスポイントでもある4ド ア・4シーターは、それまでのRX-7とはまるで違うキャラクターであることを象徴していた。
今までの2ドア2シーターのRX-7から一気にイメージを変えたRX-8。排ガス規制が厳しくなっていくなかで、自然吸気=NA(ナチュラル・アスピレーション)を採用したロータリーエンジンに変更され、パワーダウンはしたものの、「人馬一体」のスローガンはかわらず、コーナリング性能と使い勝手の利便性に特化したRX-7に負けずとも劣らない1台となった。
RX-7の刺激的な走りは確かに魅力だが、人や物をほとんど乗せられないスポーツカーは、家庭の事情 などで乗りたくても乗れないという人も少なくない。そんな潜在的なスポーツカーオーナー予備軍にとって、走りの楽しさと、常識的な使い勝手を両立できるRX-8は、きわめて魅力的な存在に映ったことだろう。
世の中には色々な事情があって、ただカッコイイ。ただ好きというだけでは買えない。そんなスポーツカーの敷居を一気に下げたスポーツカー。それがRX-8なのだ。
ノーマルでも十分に楽しいRX-8だが、チューニングを楽しんでいるオーナーも多い。そのオーナーの多くは、街乗りをメインにしながら、 時々サーキットを楽しむといった使い方がほとんど。そのため、RX-7時代のような過激なチューニングはあまり好まれないが、足まわりや吸排気系のみのライトなメニューの人気が高い。逆に言えば、それだけで十分に楽しめるから、とも言える。
街乗りもサーキットも楽しめるスポーツカー。スポーツカー好きのユーザーにとっては理想の形だと思う。それを実現し、そして、その両方を満足させてくれる。一般ユーザーが待ちに待っていたスポーツカーが登場した。