何気にYouTubeを見ていたら、面白い映像を見かけました。何と88歳のおばあちゃんが、古いF1マシンでサーキットを疾走しているのです! 女性のレーシング・ドライバーは今では珍しい存在ではありませんが、88歳ですよ! 驚きを禁じえません・・・。
ぱっと見で、この方が誰かわかった方は、なかなかのF1フリークですね。
この方がどなたかご存知の方には、上記の諸々の記述は白々しいだけかもしれませんね・・・。この方は史上初の女性F1ドライバーとして歴史に名を残す、マリア・テレーザ・デ・フィリッピスさんです。1958年はマセラティ、1959年はベーラ-ポルシェRSK(F2)のハンドルを握りF1に参戦。1958年のベルギ−GP(スパ)で女性初のF1予選通過・決勝10位完走を記録。最後の参戦となった1959年モナコGPでは、チームメイトのウォルフガング・フォン・トリップスの1秒落ちというタイムを記録しています(予選通過に3秒足らず)。
彼女を含め、F1に参戦した女性ドライバーは5名いますが、予選を通過したことがあるのは彼女とレラ・ロンバルディの2人しかいません(ちなみに、2人ともイタリア人です)。レラは残念ながら1992年に癌で亡くなりましたが、マリア・テレーザ・デ・フィリッピスさんはご覧のとおりお元気です。
実はこの動画、2つのCMに使われています。
モータースポーツの世界が男性に独占されていた時代、F1ドライバーとしてその存在を世に知らしめた女傑・・・そんなマリアさんは2004年に組織された「マセラティ・クラブ」の創設メンバーであり、チェアマンも務めております。生きるレジェンドとして、いつまでもお元気でいてほしいです。
ここに紹介するスキャン画像は、今月公開されたマセラティUSAのCM映像からピックアップしていますが、同じ映像をベースに1年前、F1のスポンサー(グローバル・パートナー)として知られるUBSのCMも作られています。ぜひ見比べてみてください。