今年、国産2ストロークエンデューロモデルとして、国内外のエンデューロで話題のヤマハYZ250Xがデビューしました。多くのダートフリークの注目を集めるマシンです。

画像: ヤマハYZ250X。ヤマハは2ストロークの火を灯し続けるメーカーとして、非常に好感が持てます。 www.dirtnp.com

ヤマハYZ250X。ヤマハは2ストロークの火を灯し続けるメーカーとして、非常に好感が持てます。

www.dirtnp.com

YZの名前は、昨年登場した4ストロークエンデューロモデルにも用いられていますが、そんなYZ250FXを扱った"Off-road Mania" Pioneering Bikes for the Dirtというサイトを以前見て、少し悲しい想いになりました・・・。

YZ250WRのこと、覚えていますか?

非常に面白いスペシャルサイトである"Off-road Mania"。その第1節、「YZ250FX、WR250Fという結晶」というタイトルの記事では、こんな記述がありました。

思えば“ヤマハオフロードマシン開発”の静かな胎動は1968年の DT-1だった。それから47年、その開拓の中で、YZの名を冠したエンデューロマシンは初めてである。それはモトクロッサーYZの“DNA”継承を示すだけではない。新しいジャンルの提唱・開拓、そして世界中のオフロードマニアに向け普及したいという開発者の気持ちを、”YZ”という記号性に込めたのである。

YZの名を冠したエンデューロマシンは初めてである・・・ですと! 私が乗っていたあのモデルのコトはなかったことにされているのか・・・(涙)。まぁ大多数の方にとってはどうでもいいコトですが(苦笑)、1989年にヤマハはYZ250WRというエンデューロマシンを輸出市場向けに販売しており、このモデルでかつて私はエンデューロに参加したり、ファンライドを楽しんだりしていたのです。

画像: 1989年型ヤマハYZ250WR。この名称は翌1990年型まで継承され、1991年型からはWR250Zという名称に変更されました。 farm3.staticflickr.com

1989年型ヤマハYZ250WR。この名称は翌1990年型まで継承され、1991年型からはWR250Zという名称に変更されました。

farm3.staticflickr.com

プラザ合意後の円高基調で、逆輸入車は1980年代初頭以前よりもはるかにお買い求めしやすくなっていた1990年代でしたが、新車を買うほどの財力もない若き日の私は、中古の1989年型YZ250WRを1991年頃に購入しました。腕に見合ったモデルではない、と頭ではわかりつつの、いわゆる衝動買いです。

ちなみにヤマハの輸出向けエンデューロモデルは、1976年のIT400Cが最初でした。その後、各排気量レンジにITシリーズは展開。その青い車体とパフォーマンスは、国内外多くのエンデューロファンを魅了しました。日本では4ストロークのホンダXRほどポピュラーではありませんでしたが、逆輸入してITに乗るダートフリークも、1980年代ちらほらいたものです。

画像: 1978年のヤマハIT175。プラザ合意以前のドル-円レートにより、この時代の逆輸入エンデューロモデルは250ccクラスで80万円以上!が当たり前でした。 www.motorcyclespecs.co.za

1978年のヤマハIT175。プラザ合意以前のドル-円レートにより、この時代の逆輸入エンデューロモデルは250ccクラスで80万円以上!が当たり前でした。

www.motorcyclespecs.co.za

1989年型のYZ250WRは、ITシリーズ廃盤後に復活したヤマハ製エンデューロの初作でした。その内実は、モトクロッサーのYZ250にライティングコイルをつけて、エンデューロ向きのワイドレシオのギアボックスを与えた"だけ"と言えるモデルでした(WRの名は、このワイドレシオにゆえん)。1990年型はリアホイールを19→18インチにするなど、少しだけエンデューロ向けの仕様に改良されましたが・・・。

我が青春のWR

今もオフロードが大して上手くないですが、20数年前の若いだけの私は、終ぞ1989年型YZ250WRで、乗りこなす快感を覚えることがありませんでした。50ps越えの強心臓と、高荷重を求めるサスペンションに四苦八苦するだけで、乗りこなした!というよりは載せられているだけ・・・という恥ずかしい有様でした。

画像: 20数年前の私と1989年型ヤマハYZ250WR。スロットル全開できなくてもソコソコ走るので、オフロードライディング技術の上達を阻害した感がありありです(苦笑)。

20数年前の私と1989年型ヤマハYZ250WR。スロットル全開できなくてもソコソコ走るので、オフロードライディング技術の上達を阻害した感がありありです(苦笑)。

乗らなくなって久しいですが、今も愛着を断ち切れず、ガレージにしまったままの1989年型YZ250WR。若い頃より体力は愕然とするほど落ちましたが、少しはライディングの理解が深まった今、改めて乗ってみたらどんな印象を覚えるのだろう・・・なんてことを考えています。

あ、国内販売された初のYZの名を冠したエンデューロマシン・・・ということでしたら、"Off-road Mania"の記述は間違いではございません(国内販売は、WR250Zになってから・・・ですので)。この記事をご一読いただいて、YZ250WRというモデルがかつて存在したことを覚えていただけるだけで、所有者としては望外の喜びでこざいます(笑)。

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