もうしつこいと思われているかもしれませんが、私はオフロードバイクに関しては2スト派です。
2ストオイルをガソリンと混ぜてタンクに入れる。(ちなみに私はポリタンクで事前に混合したりせず、ガソリンを入れたタンクに直接オイルを注ぎ込む派ですが… ^_^;)マシンにまたがってキックペダルをオフロードブーツで踏み込む。バィ〜ン、パラパラパラ、、、2スト特有の甲高く軽快な排気音。エンジンが呼吸を始めるこの瞬間に、2ストマシンに乗ってこれから土の路面とたわむれるんだという喜びがわき上がる。走る準備ができたエンジンをクラッチで繋ぐ。4ストの機械然としたふるまいではなく、まるで生きているかのようにパワーをリアタイヤに伝えてくるマシンに、毎回にんまりとしてしまうのだ。
ロードバイクと同様にオフロードバイクも4ストが主流になって久しいが、近年のハードエンデューロなどでは、2ストマシンが再評価されているようだ。2ストマシンのKTM250EXCなどは進化を続けていて、ハード系のレースでは常勝マシンとなっている。モトクロス界ではハイパワーな4ストマシンが主流となっているが、このDirt Rider Magazineのムービーでは、2スト125ccモトクロッサーに注目して比較インプレをしている。2ストモトクロッサーを思う存分に走らせている、テスターたちの走りが気持ちいい。
現代的なバイクのスタイルが確立したのは30〜40年ほど前からではないかと思う。その歴史の中で、2ストマシンが活躍した時代はすでに過去のものとなりつつあるが、オフロードバイクに関しては、いまだに2ストロークエンジンのもつ優位性は評価されているようだ。トップレベルの話もさることながら、冒頭で描いた2ストマシンで走り出す高揚感は、2ストマシンを走らせるすべてのライダーの特権なのだと思う。
かつてのRZやRG、NSといったロードバイクもそうだったが、コーナーでアクセルをとじてクリップに向かう時、オフロードバイクならジャンプした時のせつな、無音となった一瞬にマシンと一体になったようなあやうい感覚。そしてアクセルを再びひねったときの爆発的なパワーによるカタルシス。これは2ストでなければ味わえないライディングフィールなのではないだろうか。しつこいかもしれないが、私は2スト・ラブである。