今年のマン島TTの最終レース・・・最もプレミア性の高いクラスであるセニアTTの決勝の結果が判明しました。なおレース開始直後のクラッシュにより、歴史上最短?の赤旗が提示され、セニアTTは仕切り直しして再開することになりました。

ベテランの強さが、最後に輝いたセニアTT

赤旗中断する前、レースをリードしたのは今回のマン島TTハットトリック(3勝)達成で絶好調だったイアン・ハッチンソン(PBMカワサキ)でした。この赤旗中断がどのような影響を、この後再開されたレースに及ぼしたのか・・・はわかりません。しかし結果から言えば、サインポストコーナーでのミスが影響し、ハッチンソンのTTウィーク4勝目の夢は潰えることになったようです。

画像: 最終レースのセニアTTを終えたライダーたちを、迎い入れる観衆たち。今年のTTも、数々のドラマがありました。 www.motorcyclenews.com

最終レースのセニアTTを終えたライダーたちを、迎い入れる観衆たち。今年のTTも、数々のドラマがありました。

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セニアTTの勝者は、ゼロ・エミッション車(電動車)のレース以外ではパッとしなかった、現役最多勝のジョン・マクギネス(ホンダ)でした。昨年度のマン島TT絶対ラップレコード保持者、ブルース・アンスティの記録を塗り替える132.701mph(約213.562km/h)を2周目マークし、14.2秒差を2位のジェームス・ヒリアー(カワサキ)につけてゴール。以下、3位はイアン・ハッチンソン。4位はBMWに乗るガイ・マーチン。5位はヤマハYZF-R1から急遽BMWに乗り換えたマイケル・ダンロップでした。

画像: マン島TT23勝目をマークしたジョン・マクギネス。現在43歳のベテランは、ジョイ・ダンロップの持つTT26勝の記録更新を、射程圏内に捉えることに成功しました。 www.iomtt.com

マン島TT23勝目をマークしたジョン・マクギネス。現在43歳のベテランは、ジョイ・ダンロップの持つTT26勝の記録更新を、射程圏内に捉えることに成功しました。

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世界GP時代から継続する、最も名誉のあるマン島TTセニアクラスの7勝目は、"オールタイムベスト"のロードレーサーの呼び声高い"マイク・ザ・バイク"こと、マイク・ヘイルウッドに並ぶ偉大な記録です。それまでの低迷から今年限りでマクギネスは終わった・・・と嘯くパドック雀の声を、黙らせるに十分な完勝劇でした。

これで今年のマン島TTも終わりと思うと寂しいですが、すでに来年に向けての戦いは始まっているとも言えます。マイケルとウイリアムのダンロップ兄弟にとっては散々なTTでしたが、来年の捲土重来はあるのか? 今年ハットトリックを達成したハッチンソンの、黄金時代がこれから到来するのか? 今年安定した成績を残したジェームス・ヒリアーの来年度の飛躍は? ・・・などなど、今年の結果の分析記事で、もうしばらくはマン島TTの話題で楽しめるのではないでしょうか?

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