0〜400mの直線をいかに速く走れるか、ということだけを競うドラッグレース。単純明快だけど奥の深いこのバイク競技で、2010年にフランスのEric Teboulさんが、1/4マイル(約402m)5.232秒という記録で世界最速となった映像をご紹介したい。
ところがこのバイク、エンジンがついていない。これは過酸化水素水を用いたロケットバイクなのだ。なので、公式のドラッグレース競技で最速ということにはならないと思われるが、バイクのドラッグレースで、最高峰クラスであるトップフューエルが6秒を切るくらいのタイムなので、このロケットバイクがいかに速いかがおわかりだろうか。400mを通過した時点での最高速度は、実に時速398km/h。Eric Teboulさんはこの後も記録を伸ばし続け、2011年にはイギリスのサンタ・ポッド・レースウェイで、タイムは不明だがなんと最高速度453km/h(!)を記録している。
● [ORIGINAL HQ] Eric Teboul - Rocket Bike 5.232 seconds (WORLD RECORD!) Santa Pod 2010 FIA Main Event
まずは2010年に世界記録に輝いた映像をご覧いただきたい。いわゆるジェットエンジンではないので、迫力のある爆音が轟くことはないが、シューっというだいぶ控えめな音が、かえってその速さを際立たせている。静止状態から突然早送りになったかのような加速に驚くと思う。
こちらは別の会場での走行シーン。スタート前に水素タンクのバルブを、調整しているかのような様子が興味深い。さらにスタート後にリアタイヤが横に流れ出し、Ericさんがリカバリーするところがドキドキものだ。
関連ネタとして、同様のロケットエンジンを自転車に搭載したありえない映像も合わせてどうぞ。