1960年代に黄金期を築いた初期のRCレーサー!
ホンダのRCレーサーは、グランプリ参戦初年度の1959年から活躍。参戦3年目の1961年には悲願のマン島TT優勝など大活躍し、125ccと250ccのメーカー・ライダーの両タイトルを獲得。そして1966年にはメーカータイトル5クラス制覇(50、125、250、350、500cc)という、GP史上に残る偉業を成し遂げました。
「RC」という名前は今のMotoGPバイクにも使われていますが、その名前のルーツは半世紀以上前にさかのぼるわけです。初期のRCシリーズの傑作であるRC162に憧れる人は多いですが、ワークスマシンであるRC162を今手に入れるには、数千万円のお金を持っていることがオーナーになる人の最低条件となります・・・現実は常に冷徹なものですね・・・。
買えぬなら、作ってしまえ、RC162レプリカ?
・・・ということで、英国などでは栄光のRC162に憧れるあまり、レプリカを作ってしまう方がいらっしゃります。さすがにRC162の空冷エンジンを自作するのは大変なので、ホンダが1980年代から販売していたCBR250系水冷4気筒250ccを流用するという合理的な選択をしていますね。
ホンダRCレーサーの魅力は、その素晴らしい速さと「音」でしょう。1960年代はまだ、ロードレース用バイクに消音器装着が義務付けられていませんでした。高回転型の4ストロークマルチシリンダー車がメガフォンマフラーで奏でる甲高いエキゾーストノートは、「ホンダミュージック」と呼ばれ多くの人に愛され今日に至っています。観衆の拍手が、まるでオペラ歌手の歌唱後のそれのように思えてくる動画です。
こちらの動画は、2009年に英マロリーパークでの「パレード」走行です。20台以上!のRC162レプリカが一斉に走り、CBR250系4気筒のメガホンサウンドを合唱している様は圧巻のひと言です・・・。これがもし全部本物のRC162なら、いったい何十億円・・・とか、いやらしい?考えは捨てて、純粋にこの音楽を楽しんでください(笑)。