話題の2日で取れる免許、原付二種。125ccまで乗れるこの免許はオートマ限定なら最短2日で取れるようになりました。ところで知ってます? スーパーカブ110って実は「AT限定小型二輪免許」で乗れるんですよ。今回はそんなカブ110で釣りに行ってみたら……やっぱりカブってスゴすぎでした!

原付二種で最高コスパの1台は?

125ccまでのバイクに乗れる小型二輪免許。とりわけオートマ限定なら最短2日で免許が取得できることになって原付二種がイッキに注目を浴びています。

じゃあ、いちばんお買い得な原付二種って何だろう?

そう考えた時に、やっぱり思い浮かんだのはスーパーカブでした。

50ccじゃなくて110cc。原付二種のカブ110です。お値段27万5400円となっています。

ちなみにカブ110ってクラッチが無いからオートマ限定の小型二輪免許でも乗れます。知ってました?

ボクの自宅からはツーリングの定番「道志みち」を越えれば、すぐ山中湖なので、今回はツーリング+αでカブに乗ってみます。

ちなみにカブ110のエンジンは最高出力8馬力。特に速さが自慢とかではありません。

登り坂や、きついコーナーの手前ではちゃんとシフトダウンします。

だから走るのが楽しいんですね。 法律的にオートマ扱いでもカブはやっぱり『バイク』です

カブ110は、特に時速50~60kmでのクルージングは最高なんですよ。当たり前だけど、パワーの余裕が50ccとは段違い。

4速で自然に流して走るのが素晴らしく気持ちいいフィーリングでした。

ちなみに始動はキックでもOK。もちろんセルスタートも併用です。

そして!

今回の目的は『ブラックバス釣り』です。

カブを釣りの相棒にする人は多いと聞きます。

そして釣り師ほど、クルマやバイクを釣りのために酷使する人種はそう多くないと個人的には思っています。

だからあえて、カブ110を釣りに投入してみました。

即席ですが「釣り仕様」のカブ110

普段使っている腰につけるロッドホルダーを、頑丈な荷台とヘルメットホルダーの根本あたりにマウント。

前日の度重なる走行実験でロッドの安全を確認しましたが……偶然なんですけど、すごく上手くいった(笑)

タンデムステップがストッパーになってロッドが暴れないし、万が一の脱落に備えてタイラップで固定&保険もかけます。

そして荷台にはアルミケースをドンと!

滑り止めのスポンジを間にかませています。

できれば荷掛けゴム無しにしたかったけど、さすがに即席じゃ無理でした……。

でも、カブの積載の自由度は高いです。何でも積める気がします(笑)

それに「どうやってロッドや道具を運ぶかを考えること」の、それ自体が思った以上に楽しかったんです。

しかも、今回のカブ110はチャーミングなベージュのカラーなのに……釣り仕様になるとなぜか勇ましく見えるんですね(笑)

俄然ヤル気が湧いてきます。これはもう釣れたも同然だ!

10月中旬の山中湖。バス釣りは厳しいか?

最近、山中湖はシブいという話は聞いてきましたが……確かに手強い感じです。

生命感が感じられないというか、何となくバスがいる気配がない。

ひととおり攻めて、早々にこのポイントを捨てます。

この日は天候も悪く、気温も低め。たまに雨までパラつく始末でしたが、釣り師にとっては関係ありません(笑)

むしろプレッシャーが低くなるから歓迎です。

ライディングウェアだったから小雨程度はなんともありませんでしたしね。

ちょっと走って「お、ここ釣れそうかも?」と思ったら、すぐにストップしてワンキャスト。

なるほど実感です。これはクルマでの釣りじゃ無理だ……

あくまで「クルマが駐車できることが前提」の釣りとは自由度が圧倒的に違います。

だんだんヘルメットすら脱がなくなってきました(笑)

とにかく手数が違うんです。どこでもポイントに見えてきます。

過去にも山中湖は何度か来ましたけれど、今回はカブのおかげで初めてのポイントをたくさん開拓できました。

これは確実にカブ×釣りの魅力です。

そして!

驚くべきはカブ110のオフロード走破力(笑)です。

もちろんオフロード車じゃないから、ちょっと質が違いますけれど、新興国を含め世界で愛されるカブの実力は伊達じゃない!

重量99kgの軽さと、両足ベタベタの735mmのシート高でなんとでもなります。

思った以上にサスペンションのソフトさが悪路に強いことを知りました。

悪路では17インチの大径タイヤがやっぱり有効ですね。

前輪ブレーキはドラム式。ディスクブレーキに比べれば頼りないですが、のんびり走るのに不都合はありません。

むしろ久しぶりに乗ったら「ドラムって、こんなに扱いやすかったかな?」と思うくらいのフィーリングです。

リアサスペンションも快適でした。

感覚的にはソフトですけど、これで後ろの荷台にがっつり荷物を載せてもOKだというんだから不思議です。

乗り心地の良さにはソフトな座り心地のシートも貢献しているなと感じました。

ブラウンのツートーンが釣りで酷使するにはもったいないほどお洒落です(笑)

ところで……

カブ110はタンデムステップがあります。乗車定員は2名の登録。

110ccだからタンデムもOKなわけですが……ノーマルだと後ろには超タフそうな金属キャリアのみ。

二人乗りの時は鉄の荷台に座れ、ということか!?

座布団が必要ですね(笑)

タンデムが可能なシートはカスタムパーツとしてたくさんありますけど、ちょっと面白かったです。

結局、この日はボウズでしたが……

釣りに戻って、とにかくラン&ガンです。

通常、釣り(おかっぱりのバス釣り)においてラン&ガンというのは、ひとつのポイントでキャストしては移動、キャストしてはまた移動という感覚ですけど、カブがいると違います。

山中湖ぜんぶでラン&ガン(笑)

移動して、ポイントのいちばん近くまで乗り込んでいって、すぐに投げる。

ダメだと思ったら即、移動。

この速力は未体験でした。すさまじい武器です。

ウィード周りも丁寧に探ります。でも遠浅すぎて、ちょっときつい。

チェストハイのウェーダーを持ってきて水に踏み込みたいです。

ウェーダーを履いたままカブに乗って釣りをする。

次回はこれしかないと感じています。

結局この日は惨敗、ボウズでした。小さなアタリが2回あっただけ。

でもカブで釣りっていいですね。

釣りでの機動力や自由度は計り知れませんし、燃費も良くて維持費も安い。

これで晴れていれば、移動でちょいちょい走るのだって楽しみになります。

そして、気がついたら日暮れです。なんとか一匹!と粘って時間を忘れていました。

ですが、今日1日で感じたことがあります。

今回は釣りですけど、こうやってひとつのことに特化させた時のカブ110の対応力が素晴らしすぎるんです。

釣りで言うならチャンスがたくさん増えすぎて、帰るタイミングを失うくらいに(笑)

60年も愛され続け、1億台も生産された名車の実力

やっぱりカブは他とはひと味違うタイプの実力派なんです。

特にカブ110は、カブ本来の強さに、パワーという余裕が加わって、自由度も行動範囲もたくさん広げてくれます。

それに、今日1日で気持ちまでリラックスさせてくれました。

なるほど。これがカブで釣りにいく人の気持ちか……確かにやめられない。

必ずや……リベンジするぜ山中湖! 次はクロスカブで!!!

カブ110の楽しみかたは無限大!