13の自治区に分かれた王国の、警察などの官僚組織を包括管理する巨大統一組織「ACCA(アッカ)」。そのACCA本部の監察課副課長 ”もらいタバコのジーン”ことジーン・オータスは、13区の各支部に不正がないかを監視するのが役目でありながら、王国に対するクーデターを企む不穏な動きに巻き込まれちゃいます。それでもジーン、漫画界のおひょいさんみたいな飄々とした男で、何食わぬ顔で仕事を続けていきますが、周囲がなぜか彼をほっておかないんです。
国家にまたがる超巨大組織に生きる男たちの、クールでスリリングな駆け引きと、言葉ではなく表情で交わされる洞察と交渉の妙を楽しむ、大人のためのコミック、それが「ACCA13区監察課」です。

もらいタバコのジーンの秘密とは

本作では、国王がタバコの吸いすぎで体調を崩したかの理由で、全自治区でタバコは凄まじいばかりの高額の税金が課せられていて、普通の人では絶対に買えないくらいの高級な嗜好品になっています。
一介の官僚にすぎないはずのジーンは、常にくわえタバコ。なんでかわかりませんが、いろいろなところでタバコをもらえるので、もらいタバコのジーンという異名をもらうのです。本作では、彼がなぜタバコをもらえるのか、というよりも、なぜ様々な人が彼にタバコを提供するのか、それが全体のストーリーのキーになっています。だからここでは説明しませんが、そんなさりげない伏線があるってことだけ覚えておいてください。

ジーンには妹が一人いるのですが、二人ともある超高級マンションの管理人という仕事も持っています。だから管理人ということで、そのマンションに住んでいるのです。ジーンは管理人の仕事は妹に任せて、ACCAでの仕事を続けていますが、(自治区を回るから)出張続き、かつ各地区の同僚たちを監査しなければならない仕事はあまり好きでないようで、事あるたびに異動を申し出ているのですが、人事異動の季節がきても彼の依願は受け入れられたことがありません。実はここにも秘密が隠されているのですが、それもここでは明かしません。

さらに、ジーンには高校時代からの悪友がいて、いまではカメラマンとなった彼と、ときたま会っては酒を飲むですが、どうやらこの悪友はジーンに何かを隠している雰囲気です。これもまた重要な伏線になっているのですが、やっぱりここでは言えません。

とにかくさりげなくさりげなく、いろいろな伏線が重なりあって、この物語は徐々に全貌を明かしていくのですが、最後まで静かでアクションのようなものはなく、淡々と進んでいきます。でも、そこがクールで良いのです。

Kindleにて全6巻、いますぐ読めるよ。

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コミックで読むか、アニメで楽しむか

本作はテレビアニメ化していました。ぼくは偶然Kindleで知ったのですが、アニメもかなりいい感じです。深夜に大人が一人で酒をのみながら観るのにふさわしい思います。U-NEXTで毎週木曜更新で連載しているようなので、今からでも十分追いつけます、ちょっと試してみませんか?

大きな会社で、いろいろな人間関係の中で仕事をしている人なら、きっとハマると思いますよ。