「ミスターバイク」誌を中心にバイク漫画を描き続けた広井てつお氏。2008年病により逝去したが、未だその作品は数多くのファンに愛され続けている。そんな、氏には珍しく四輪ドキュメンタリーものとして描かれた「マツダのロータリー・エンジン開発物語」から、ロータリーの開発に賭けた男たちの戦いを紹介したいと思います。

1973年 オイルショック

コスモスポーツの成功で、会社存続の危機を乗り越えたかに見えた東洋工業。しかし、ロータリーエンジンの未来は思わぬ方向に進み始めます。

世界中から賞賛された夢のエンジンとなったはずのロータリーは、オイルショックによる石油の価格高騰により、ガスガズラー(ガソリン食いの不経済な車)と化したのです。

廃墟の町から立ち直り、オイルショックに沈んだ今なお諦めず、不死鳥のように蘇る事を目指す東洋工業。目標はロータリーの燃費40%向上。『どんな問題にも必ず答えがある』を信念に、フェニックス計画が始動します。

そして、諦める事を知らない男たちが、また1つ答えを導き出すのです。