年末の恒例企画、Lawrenceが独断と偏見? で選んだ、2025年の2輪業界にまつわる10大ニュース(順不同)。2025年シーズン、全日本トライアル選手権で電動のヤマハTY-Eに乗る黒山健一がIAS(国際A級スーパー)チャンピオンとなりました。全日本選手権各ジャンルの最高峰クラスで、電動車がICE(内燃機関)搭載車を破って王座につくのは、これが初のこととなります。

IA(国際A級)では、2024年度に電動車がすでにタイトル獲得していました

2輪モータースポーツのなかで、現時点で最も電動車がその戦闘力を実証しているのがトライアルの分野です。スロットル全開時間が比較的短い、航続距離の短さがあまり問題にならない、などなどの競技特性が電動車向きであり、フランスのエレクトリックモーションやスペインのガスガス、そして日本のヤマハとホンダがこれまで積極的に電動車でトライアルの各種選手権に挑戦しています。

2024年度は全日本選手権IA(国際A級)で、エレクトリックモーションに乗る成田匠がクラス制覇を達成。最高峰のIAS(国際A級スーパー)では最終戦までタイトル争いがもつれましたが、RTL301RRを駆る小川友幸が自身の持つMFJチャンピオン獲得最多記録を更新する結果となり、電動車のヤマハ勢は苦杯を嘗めることになりました。

2025年シーズンは、2023年からのプロジェクトの中心ライダーとして活躍してきた黒山健一が、3年目にしてついに電動のヤマハTY-Eとともに最高峰クラスを制覇。黒山にとって自身12回目のタイトル獲得は、MFJ全日本選手権最高峰クラスの初の電動車による戴冠・・・という偉業になりました。

画像: 電動車による王座獲得、というヤマハのミッションを成し遂げた立役者の黒山健一。2006年は自身の全日本100勝(残り3勝)に挑むことになります。 news.yamaha-motor.co.jp

電動車による王座獲得、というヤマハのミッションを成し遂げた立役者の黒山健一。2006年は自身の全日本100勝(残り3勝)に挑むことになります。

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世界選手権のトライアル2クラスでは、ホンダの電動車がランキング2位に

2024年の全日本選手権は、最終戦までの3戦で元世界王者の藤波貴久が、ホンダRTL ELECTRICで3連勝を飾ったことが話題になりました。2025年シーズン、ホンダは世界選手権にRTL ELECTRICの活躍の舞台に移し、トライアル2クラスにミケール ジェラベルトを参戦させました。

トライアル2クラスは最高峰トライアルGPクラスを目指す、有望な若手たちの戦いの場・・・的なカテゴリーで、過去にトライアルGPで表彰台獲得経験もあるジェラベルトを降格させて起用するホンダは大人気ない・・・と、SNSでぼやくトライアルファンもいました。もっとも、実力者を起用して勝ちに行くということは、電動車とトライアル競技に対するホンダの熱意のあらわれともいえ、当然非難される謂れはありません。

画像: 1998年生まれのスペイン人ライダー、ミケール・ジェラベルト。2015年よりトライアルGPで活躍していたジェラベルトですが、2025年はホンダの電動車、RTL Electricを託され、トライアル2クラスを戦いました。 honda.racing

1998年生まれのスペイン人ライダー、ミケール・ジェラベルト。2015年よりトライアルGPで活躍していたジェラベルトですが、2025年はホンダの電動車、RTL Electricを託され、トライアル2クラスを戦いました。

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画像: ホンダRTL Elevtlicとジェラベルトは、第2戦ポルトガルGPでシーズン初勝利を記録。 honda.racing

ホンダRTL Elevtlicとジェラベルトは、第2戦ポルトガルGPでシーズン初勝利を記録。

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全7ラウンド、14レースで競われるトライアル2で、RTL Electricとジェラベルトは5勝を記録するものの、米国GPレース1のトラブル起因のノーポイントなどが響き、王座は全戦5位以上という安定した成績をおさめたハリー ヘミングウェイ(英、ベータ)のものになりました・・・。

惜しくも2位に甘んじたRTL Electricとジェラベルトが、2026年シーズンはどこで戦うのかはまだわかりませんが、おそらく負けず嫌いなホンダですから、1年目2位でオシマイ・・・ということはないと思います? 

KTMグループ再建のためガスガスがファクトリー活動を停止するので、おそらくガスガスの電動車であるTXEのプロジェクトは再び凍結・・・ということになりそうです。ただ、エレクトリックモーション、ヤマハ、そしてホンダの電動トライアルモデルは、変わることなく2026年シーズンも活躍するでしょう。どんな記録が電動車によって2026年に生み出されるか・・・楽しみです。

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