全日本で、そして世界で、今年もトライアル界では電動車が大活躍!
全日本トライアル選手権は最終第8戦まで、最高峰国際A級スーパー(IAS)クラスのタイトル争いがもつれ込みましたが、王者小川友幸(ホンダ)がタイトルを防衛したため電動車のヤマハTY-Eを駆る黒山健一と氏川政哉はそれぞれランキング2位と3位にとどまりました・・・。
![画像: 全日本トライアル選手権 第8戦City Trial Japan大会で3位となり、ランキング2位なった黒山健一とヤマハTY-E 2.2。 race.yamaha-motor.co.jp](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16781465/rc/2024/12/31/368df95d74ac78df43650727f6662be41be64260.jpg)
全日本トライアル選手権 第8戦City Trial Japan大会で3位となり、ランキング2位なった黒山健一とヤマハTY-E 2.2。
race.yamaha-motor.co.jp一方、IA(国際A級)クラスではエレクトリックモーション(以下EM)に乗って年間3勝した成田匠が、見事MFJ(日本モーターサイクルスポーツ協会)の全日本選手権で初となる、電動車によるクラス制覇を成し遂げました。
![画像: フランスの電動車、EMを駆る成田匠。1989年、1994年に全日本国際A級(IA)王者となった成田は、1990〜1996年の間トライアル世界選手権で活躍。なお全日本は1997年以降IASが最高峰となり、IAはその下のクラスとなりますが、その体制下での成田のIA王者戴冠は今年で2回目となります(前回は2007年)。 mspro.jp](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16781465/rc/2024/10/16/0648a44962902716085e63573924ae010f2ec242_xlarge.jpg)
フランスの電動車、EMを駆る成田匠。1989年、1994年に全日本国際A級(IA)王者となった成田は、1990〜1996年の間トライアル世界選手権で活躍。なお全日本は1997年以降IASが最高峰となり、IAはその下のクラスとなりますが、その体制下での成田のIA王者戴冠は今年で2回目となります(前回は2007年)。
mspro.jp最高峰のトライアルGPを目指す、世界各国の優れた若手によって競われるトライアル2では、開幕戦の日本(モビリティリゾートもてぎ)でソンドレ ハーガ(ガスガスTXE)が、そして最終戦スペインではEMのガエル シャタヌが勝利し、電動車の勝ち星は計2勝でした。
全日本トライアル選手権の第6戦 和歌山・湯浅大会以降は、ホンダが2004年度世界王者の藤波貴久に電動のRTL ELECTRICを託して参戦し、大活躍したことも記憶に新しいです。オンロードモデルほど電費がキツくないトライアル車は、ICE(内燃機関)搭載車相手に戦闘力を発揮できる電動車のカテゴリーといえます。
きっと来年以降も、国内外の高い次元のトライアルイベントで、電動車の活躍をお伝えできると思います。来年度はぜひ、全日本最高峰のIAS制覇を期待したいですね!
![画像: 全日本トライアル選手権の第6戦にて、クリーン数7、減点48でRTL ELECTRICをデビューウィンに導いた藤波貴久。 honda.racing](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16781465/rc/2024/10/16/e125141fe837bf5a4be737c27d8adf63fca005c5.jpg)
全日本トライアル選手権の第6戦にて、クリーン数7、減点48でRTL ELECTRICをデビューウィンに導いた藤波貴久。
honda.racingヤマハとEMが協業を模索するのは、そんなに不思議なことではないですね!?
11月7日、ヤマハはEMに出資したことを公表。その目的は、2輪EVのマーケットにおける両社のプレゼンス(影響力)向上と、コンペ用電動車の可能性を追求する戦略的パートナーとして両社の持つ知見や情報を持ち寄って、協業を模索する・・・というものです。
![画像: EMの電動車、「Epure FACTOR-e」。 www.facebook.com](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16781465/rc/2024/12/31/0c03f830f7ed12fb47c841116345da68a968869a.jpg)
EMの電動車、「Epure FACTOR-e」。
www.facebook.comトライアルの世界における日仏のライバルメーカー同士が協業・・・と不思議に思う人もいるかもしれませんが、過去のヤマハとスコルパの協業を知る人には、素直に納得できる話ではないでしょうか? 1993年創業の仏スコルパは、1998年にヤマハとエンジン供給の契約を結んでいます。
EM代表のフィリップ アレステンはかつてスコルパ社長だった経歴の持ち主で、2003年にヤマハ製エンジンを搭載するスコルパTY-S125Fの誕生にも大きく貢献した人物です。2009年にアレステンはEMを創業して現在に至るわけですが、約20年前にヤマハとの協業で素晴らしい実績をおさめた彼が率いるEMが、再びヤマハと電動車の分野で協業するのはトライアルファン的には期待値大な話題でしょう。
2002年、出光イーハトーブトライアルで、世界初お披露目されたスコルパTY-S125Fプロトタイプ。ナンバー付きトライアル車を求める日本の多くのユーザーに支持された、人気モデルとなりました。
www.ihatovetrial.jpまだ協業を模索・・・ということで、具体的に何かが動いたかどうかはわからないですけど、これまで日仏では電動トライアル車の分野で最も精力的に活動してきた両メーカーが、どのような話題を2025年に提供してくれるか? 期待したいです!