年末の恒例企画? Lawrenceが選んだ今年・・・2024年の10大ニュース(順不同)でご紹介します。2050年に関わる全ての製品と企業活動を通じてカーボンニュートラルを実現することを目指しているホンダが、巨大市場であるインドに電動スクーター2機種を投入することを明らかにしました。2輪EVの拡充を政策として進めるインドは、「電動化時代」もアツいマーケットであり続けるのでしょうね。

2025年2月から、インド国内でデリバリー開始とのことです

2024年11月、ホンダはインド市場専用モデルである電動スクーター、ACTIVA e:(アクティバ イー)とQC1(キューシーワン)の2機種を発表しました。

「ACTIVA e:」はインド市場で人気のICE(内燃機関)搭載スクーター、アクティバの電動版と呼べるモデルであり、動⼒⽤電源にホンダの交換式バッテリーであるHMPP e:(Honda Mobile Power Pack e:)を2個使⽤し、自社製ホイールサイドモーターを駆動させるユニットスイング方式を採用しています。

画像: 年間約250万台を販売する人気ICE搭載スクーターのアクティバのボディーおよびフレームをベースに、電動スクーターとしてまとめ上げられた「ACTIVA e:」。スマホとのコネクテッド技術で、通話やナビ機能を利用できるHonda RoadSync Duo®を装備するタイプも設定されるとのことです。  global.honda

年間約250万台を販売する人気ICE搭載スクーターのアクティバのボディーおよびフレームをベースに、電動スクーターとしてまとめ上げられた「ACTIVA e:」。スマホとのコネクテッド技術で、通話やナビ機能を利用できるHonda RoadSync Duo®を装備するタイプも設定されるとのことです。

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モーターの定格出力は4.2kWで、最大出力は6.0kWとのこと。走行モードはスタンダード、スポーツ、エコノミーの3つから選べ、駐車時などの取りまわしに便利なリバースモードを使うことも可能です。気になる航続距離は、 IDCモードでのホンダのテスト値で102kmだそうです。

画像: ACTIVA e:のシート下に搭載された、交換式バッテリーのHMPP e:。 www.honda2wheelersindia.com

ACTIVA e:のシート下に搭載された、交換式バッテリーのHMPP e:。

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もうひとつの「QC1」はHMPP e:ではなく、車体固定のバッテリーを使っているのが特徴です。経済性重視の機種という設定ですが、シート下にHMPP e:を収納する必要がないため、シート下を26リットル容量のトランクスペースにあてがうことを可能にしています。

画像: 定格出力1.2kW、最大出力1.8kWのインホイールモーターを採用する「QC1」。バッテリーは1.5kWの固定式で、専用充電器を使っての家庭でのチャージを可能にしています。航続距離は、IDCモードでのテスト値で80kmと公表されています。 global.honda

定格出力1.2kW、最大出力1.8kWのインホイールモーターを採用する「QC1」。バッテリーは1.5kWの固定式で、専用充電器を使っての家庭でのチャージを可能にしています。航続距離は、IDCモードでのテスト値で80kmと公表されています。

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QC1のバッテリーは、0〜80%充電に4時間半、フル充電に6時間50分を要するとのこと。ライディングモードはスタンダードとエコノミーの2つですが、最高速は50km/hとかなり遅めに思えます。交換式バッテリーのため充電時間に関するストレスがなく、最高速80km/hを発揮するACTIVA e: の方が、やはりパフォーマンス的には段違いに上といえるでしょう。

画像: QC1のシート下トランクスペース。ヘルメット収納可能なのは、実用的でありがたいですね。 www.honda2wheelersindia.com

QC1のシート下トランクスペース。ヘルメット収納可能なのは、実用的でありがたいですね。

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なおHMSI(ホンダ モーターサイクル アンド スクーター インディア)のリリースによると、ACTIVA e:とQC1は2025年1月1日から予約を開始し、翌2月以降から順次デリバリーを開始するとのことです。

ACTIVA e:をインド市場で売るために欠かせないのが、HMPP e:交換ステーション網の整備でしょう。現地法人のHEID(ホンダ パワー パック エナジー インド プライベート リミテッド)は、ベンガルールとデリー首都圏に「Honda e:Swap」の名でバッテリー交換サービスをすでに開始しており、間もなくムンバイでもサービスが開始される予定です。

そのため上記のインドの主要3都市では、ACTIVA e:のユーザーは問題なくバッテリー交換サービスを利用することができるでしょう。ちなみにACTIVA e:とQC1は、2030年までにグローバルで電動モデルを30機種投入するというホンダの目標における、12機種目と13機種目になります。

2030年に2輪新車販売のEV率8割を目指すインド!!

一方ホンダのライバル・・・交換式バッテリーを採用する電動スクーターの「現時点の在り方」を定義したといえる先駆者的台湾企業のGogoroは、2021年春からインド市場開拓に向けて各種提携を結び、着々と進出の準備を進めてきました。

そして2023年12月にはインド市場初登場となるバッテリー交換式スクーターの「クロスオーバーGX250」を発表するとともに、デリーとゴア、そしてプネとムンバイにバッテリー交換ステーション網を整備することを明かしました。

画像: Gogoroのインド市場戦略モデルであるクロスオーバーGX250は、インドのマハーラーシュトラ州の工場で生産される、インド市場のニーズに最適化したバッテリー交換式電動スクーターです。 www.gogoro.com

Gogoroのインド市場戦略モデルであるクロスオーバーGX250は、インドのマハーラーシュトラ州の工場で生産される、インド市場のニーズに最適化したバッテリー交換式電動スクーターです。

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JETRO(日本貿易振興機構)のレポートによると、インドの2022年度の国内販売実績は1,586万台と、コロナ禍による低迷から回復基調にあり、今後も伸長していくと予想されています。また2023年11月のスクーター販売のデータを見ると、トップ10のなかにOlaのS1、TVSのiQube、そしてバジャジのチェタックと3機種も電動モデルが入っています。

インド政府はEV拡大支援を政策として進めており、2030年の2輪新車販売の8割!! をEVにする目標を立てています。2023年実績は約63万台でこの数は2輪販売全体の約4%というものですが、政府方針に従って電動モデルの比率は年々上昇していくことになると思われます。

インドはガソリンが結構高いので、信頼性の高い高品質なバッテリー交換式電動スクーターは、ランニングコストが低い便利な乗り物として支持される可能性は高いです。ホンダとGogoroがサービスで競争することでコストがおさえられれば・・・言うまでもなく喜ぶインド人ユーザーも多いでしょう。

インド市場のスクーターセグメントにおいて、トップの地位につくHMSIは56%という高いシェアを占めています。このスクーター市場における優位性を「電動時代」においても守り続けるため、ACTIVA e:とQC1は電動化戦略の先兵としての責任が重大なモデルといえます。来年以降、インド市場がどのような発展をするのか、注目したいです!

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