年末の恒例企画? Lawrenceが選んだ今年・・・2024年の10大ニュース(順不同)でご紹介します。今年の全日本ロードレース選手権・JSB1000クラスは、非常にハイレベルな戦いが展開され目の肥えたモータースポーツファンを楽しませ、話題となりました。激闘の末タイトルを獲得したのは岡本裕生(ヤマハ)でしたが、ドゥカティ パニガーレV4Rを駆りシーズン3勝を記録した水野涼の活躍にも、多くの注目が集まりました。

最高峰クラス以外では、外国車が優勝した前例はありましたが・・・

1960年代以降、世界をリードすることになった4大バイクメーカーを擁する日本ですが、その日本を舞台にする全日本ロードレース選手権は長年これら4メーカーが送り出すファクトリー車、市販レーサー、そして公道車改造車が中心となって歴史をつむいできました。

しかしその例は少ないですが、優れた外国製市販レーサーを用いて上述の状況の打破を試みたチームも存在します。1970〜1980年代には、モリワキや月木レーシングがMBA(モルビデリ)を125ccクラスで走らせたり、1990年代にはチームデイトナがアプリリアRSV250Rで大活躍したことを、古くからのモータースポーツファンのなかにはご記憶の方もいらっしゃるでしょう。

1995年7月の全日本ロードレース選手権第5戦(スポーツランドSUGO)で、宮崎敦はアプリリアRSV250Rを駆って見事優勝しました。なおこの一勝は、全日本ロードレース選手権では14年ぶりとなる外国車の勝利でもありました。

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ただ、500cc、スーパーバイク、そしてJSB1000といった歴代最高峰クラスでは、日本車勢の牙城を崩すことはありませんでした。最高峰クラスは各メーカーが特に威信をかけて取り組んでいることもあって、外国車優勝という前例がなかったのはある意味当然のことといえたかもしれません。

今シーズン開幕前、Ducati Team KagayamaはJSB1000クラスに、ファクトリー車のドゥカティ パニガーレV4Rを参戦させることを発表し、モータースポーツファンを大いに驚かせました。

画像: 2月15日、都内のイタリア大使館で行われたDUCATI Team KAGAYAMA体制発表会の一葉。SBK王者のA.バウティスタも使用していたファクトリー車のパニガーレV4Rの後ろに立つ、ライダーの水野涼(左)と監督の加賀山就臣。 www.ducati.com

2月15日、都内のイタリア大使館で行われたDUCATI Team KAGAYAMA体制発表会の一葉。SBK王者のA.バウティスタも使用していたファクトリー車のパニガーレV4Rの後ろに立つ、ライダーの水野涼(左)と監督の加賀山就臣。

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今シーズンのJSB1000クラスは、ヤマハファクトリーの中須賀克行と岡本、そしてドゥカティの水野が常に表彰台争いを繰り広げ、ホンダCBR1000RR-Rのキット車を駆る野左根航汰(Astemo Honda Dream SI Racing)がファクトリー車3台にからむ奮闘ぶりを魅せる様が、毎戦のように展開されました。

Ducati Team Kagayamaは鈴鹿8耐にもパニガーレV4Rに参戦(4位)。そして全日本後半戦最初の第5戦(モビリティリゾートもてぎ)、ついにポール トゥ ウィンで水野は最高峰JSB1000クラスにおける史上初の外国車優勝という快挙を成し遂げました。

そして最終戦となった第56回MFJグランプリ(鈴鹿サーキット)では、レース1および2で見事なマネジメント力を発揮して2連勝を記録。シーズン3勝で年間ランキング3位を獲得しました。

画像: 今シーズンの全日本最終戦。ヤマハファクトリーのYZF-R1をおさえ、鈴鹿サーキットのシケインを通過するドゥカティ パニガーレV4Rと水野涼。 www.ducati.com

今シーズンの全日本最終戦。ヤマハファクトリーのYZF-R1をおさえ、鈴鹿サーキットのシケインを通過するドゥカティ パニガーレV4Rと水野涼。

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加賀山就臣監督は、ヤマハ以外の3メーカーも全日本でファクトリー活動をしてほしい!! とハッパをかける意味を込めて外国車のドゥカティで参戦したわけですが、ロードレースブーム、レーサーレプリカブームだった1980年代から1990年代前半の時代のように、全日本の成績が販売に強く影響した・・・とはいえない今、氏の願いに各メーカーが応える可能性は低いかもしれません。

ただ全日本を盛り上げるというDucati Team Kagayamaの意図については、非常に素晴らしい成果をあげたという評価に異論をはさむ者はいないでしょう。来シーズンも、その活躍ぶりを期待したいです。

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