電動2輪のほか、ホンダの船外機と芝刈機も受賞しています
今回、ホンダ製品としてレッド ドット賞を受賞したのは4点で、2輪は電動スクーターの「EM1 e:」と「Motocompacto」の2機種です。
ちなみに2020年以降のホンダ2輪の受賞を列挙すると、2020年は「CBR1000RR-R 」、2021年は「フォルツァ750」、2022年は「NT1100」と「ADV350」、2023年は「XL750 トランザルプ」、「CB750 ホーネット」、「ADV160」、「CBR250RR」・・・となります。
レッド ドット デザイン賞の歴史
レッド ドット デザイン賞はそもそも、1954年にドイツで創設されたフェライン インダストリエフォルムにルーツがあります。この協会は第2次世界大戦後の時代、ドイツの消費財を近代化し、輸出に適したものにすることを目的に生まれました。
1955年には最初のデザインコンペがドイツのエッセンで開かれ、世界的な注目を集めることに成功。1990年には旧名からノルトライン ヴェストファーレン デザインセンター(DZNRW)に名称を変更することに伴い、新しいロゴ・・・レッド ドットが1991年にデザインされました。
2000年からは現在のロゴが使われることになったレッド ドット デザイン賞は、「プロダクトデザイン」、「ブランド & コミュニケーションデザイン」、「デザインコンセプト」の3カテゴリーで構成されており、そのなかで最も古くからあるプロダクトデザインはさらに51カテゴリーに細分され、主に工業製品を対象に、デザインの革新性、機能性、耐久性、人間工学など9つの基準から審査されています。
「宣伝」と「権威主義」のバランスは、難しいですね?
レッド ドット デザイン賞の受賞者は証明書を受け取るとともに、製品の広報活動にレッド ドットのロゴを使用することが許可されます。今回のホンダの例に限らず、さまざまな工業製品の宣伝に「レッド ドット デザイン賞」のロゴと、受賞したことの報告を見たことがある人は、少なくないでしょう。
いわゆる、権威からもらった「お墨付き」という性格があるレッド ドットですが、工業製品の真の評価というものは、最終的には消費者個々人に委ねられるものといえるでしょう。設計としてのデザインがいかに優れていても、市場に受け入れられず短命に終わった製品は少なくありません(特に趣味商品である2輪車は・・・)。普及途上期にある電動2輪車の、「EM1 e:」と「Motocompacto」にとってレッド ドット デザイン賞がどれだけ箔を付ける効果を及ぼすか、ちょっと気になりますね。