ローラ ヤマハの参戦は第11シーズンから!?
1958年にエリック・ブロードレイによって設立された英国の名門コンストラクターのローラは、今まで500回以上の選手権優勝という記録を持っています。一方ヤマハは、カート製造販売からシングルシーター用エンジン供給まで、長年幅広く4輪レース業界に貢献してきた企業として知られています。英国と日本の企業は、これから複数年にわたるテクニカルパートナーシップを結び、2024〜2025年シーズンから開催されるフォーミュラEの第11シーズンより、参戦を開始する予定のようです。
マーク・プレストン (ローラ カーズ モータースポーツ ディレクター)
「フォーミュラEへの参戦が決定し、感激しています。私たちにとって、これは単にローラをサーキットに戻す機会というだけでなく、技術開発のための素晴らしいプラットフォームでもあります。ローラ カーズには、シャシーと空力設計における輝かしい成功の歴史があります。このプロジェクトは、モータースポーツ技術の未来を定義するローラの幅広い計画の基礎となる、ソフトウェアに重点を置いたユニークな電動化プラットフォームを創造することを可能にします」
ティル・ベヒトルスハイマー(ローラ カーズ会長 )
「ABB FIAフォーミュラE世界選手権に参戦するにあたり、ヤマハ発動機とパートナーシップを組めることを大変嬉しく思います。世界で最も革新的なOEMのひとつであるヤマハ発動機から、このような重要なプロジェクトのパートナーに選ばれたことは、私たちがローラで築き上げてきたチームのレベルの高さを証明するものです。このプロジェクトの焦点は、ローラが全面的に投資している技術開発にあります。私たちは、フォーミュラEにおけるローラ周辺を支える高効率の350kW電動パワートレインが、今後数年間トップクラスの国際モータースポーツのさまざまな形態でエキサイティングな応用が可能な基礎技術だと考えています」
丸山平二(ヤマハ発動機 取締役常務執行役員)
「ヤマハ発動機は、サステイナビリティに貢献する様々な技術の研究開発を加速しています。テクニカルパートナーとして、フォーミュラEという最高レベルの電動レースを通じて、より高度なエネルギーマネージメント技術を獲得していきたいと考えています。また、持続可能なモータースポーツというローラの新しい哲学にも共感しており、このようなパートナーシップを結べたことを大変嬉しく、光栄に思います」
ヤマハのフォーミュラE開発は、ヤマハ製2輪EVの電動技術も加速させる!?
上にコメントを紹介したヤマハの丸山平二常務は、新規事業開発、技術研究、パワートレイン、車両開発領域を管掌しており、MC領域電動化推進プロジェクト最高責任者をつとめています。4輪レースファン的視点では、ローラ ヤマハの今後の活躍ぶりが最大の焦点でしょうが、2輪ファン的にはフォーミュラE開発の場で得た電動技術が、どのようにヤマハ製2輪EVのフィードバックされていくことになるのか・・・も興味深いです。
もっとも、フォーミュラEで培った技術が我々の手にする製品に活用されるのは、だいぶ先のことにはなるでしょうが・・・。これからの展開に、大いに期待したいですね。