まずは手堅く、ICEモデルの人気作を電動化・・・?
インド自動車工業会(SIAM)が昨年発表した統計によると、2021年度(2021年4月~2022年3月)のインド2輪車国内販売台数は1,346万6,412台でした。そんな巨大市場のスクーターセグメントにおいて、本田技研工業の100%子会社であるHMSIは56%シェアを有するトップメーカーです。
HTオートデスクおよびビジネス トゥディ ベータの1月24日の報道によると、HMSIの最新モデル「アクティバ 6G H-スマート」発表の場で、HMSIのマネージングディレクターで社長兼CEOの尾形淳史氏は2024年3月までに最初の電動モデルを発売する予定であることを明かしました。
2024年3月リリース予定の電動スクーター第一弾は、コストを抑えるためにモーターとバッテリーは現地で調達。そしてコンビブレーキシステムなど車体関係のパーツは、ICE版アクティバとその多くを共用することになる予定とのことです。この方針を採用することで、ICE版も電動版も同じ工場で生産することが可能になるわけです。
第二弾が登場するころには、SBMCの規格も決まっている・・・ハズ?
また尾形氏によると、電動版アクティバを発売した後、第二弾として登場する電動スクーターは交換式バッテリーを採用する予定のようです。気になる充電インフラですが、HMSIのインド全土の約6,000店舗を利用して交換ステーションを設置する予定とのこと。ちなみに第一弾と第二弾の間は、それほどの時間はかからないとのことですので、早ければ2024年夏〜秋にはリリースされているのかもしれません?
巨大市場のインドでは、すでに台湾のGogoroが2021年春に交換式バッテリープラットフォーム展開について、インド大手のヒーロー・モトコープと提携したことを公表しています。そして今年1月17日に、Gogoroはインドの自動車部品メーカーであるベルライズ・インダストリーズと50:50のパートナーシップを結び、インド・マハラシュトラ州のバッテリー交換網整備を行うことを明らかにしています。
インド最大の商業・産業の中心地のひとつである同州は、約1億2000万人の人口を擁します。GogoroのCEOであるホラス・ルークは、同州のスケールは現在の台湾のステーション網の4倍のポテンシャルがあり、台湾の約12,200箇所のステーション数から推察して、マハラシュトラ州では約5万箇所を設置できるだろうと見込んでいます。
規模的にはインド全土の6,000店舗を利用したHMSIの交換ステーション網は、Gogoro勢のマハシュトラ州の計画の前にはとっても小さく思えてしまうのですが・・・。ともあれ何事も現時点ではまだはじまっていることではないので、この先のことはどうなるのかはわかりません。
HMSIは当然? 欧州コンソーシアムこと、SBMC=スワッパブル・バッテリー・モーターサイクル・コンソーシアムでの採用も期待される「ホンダ モバイル パワー パック e:」を使ってインド市場向け電動スクーター第二弾を開発すると思いますが・・・。
ひとつ確かなのは1〜2年の間に、インドを舞台にして熾烈な両陣営の「交換式バッテリー大戦」の勃発は避けられないであろうことです。巨大市場を舞台とした今後の両陣営の動向に、注目したいですね。