すでにトライアンフは、モトクロスとエンデューロという分野への新規参入に向け、開発を進めていることを公表しましたが、9月23日の発表により2024年からFIM(国際モーターサイクリズム連盟)モトクロス世界選手権・MX2クラス(250cc)へ参戦を開始し、2025年には最高峰MXGP(450cc)に戦線拡大するというプランを明らかにしました!

モトクロス界のビッグネームがパートナーシップを締結!

2024年シーズンからの参戦開始に向けて、トライアンフが手を組んだのはモトクロス世界選手権で幾多の成功をおさめたチームオーナーのティエリー・チザット-スゾーニと、彼のチームのマネージャーをつとめたヴィンセント・ベレーニです。

画像: ガッチリと握手を交わす、トライアンフCEOのニック・ブロア(左)とティエリー・チザット-スゾーニ。 www.triumphmotorcycles.co.uk

ガッチリと握手を交わす、トライアンフCEOのニック・ブロア(左)とティエリー・チザット-スゾーニ。

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レースチーム「MX ESCAセットアップ」のオーナーであるT.チザット-スゾーニは、2021年シーズン終わりまで13年間カワサキ(KRT)欧州チームを運営。そしてV.ベレーニはKTMを経て、米国でカワサキ系名門チームのプロサーキットにテクニカル・マネージャーとして所属した後、2014年にチザット-スゾーニのチームに加わりマネージャーとして辣腕(らつわん)をふるった人物です。ふたりがMXGPで得た勝利数は80を超え、この歴然とした事実は彼らの技量や能力の高さの、なによりの証左といえるでしょう。

彼らモトクロス界のビッグネームふたりとともに、モトクロスプロジェクトを推進するのは、Moto2やスーパースポーツレースを含むトライアンフのレース活動すべてを統括する「トライアンフ・レーシング」です。プロトタイプ製作は英ヒンクレーにある本社が拠点となりますが、レースチームの人員確保、運営準備などの作業は、オランダのアイントホーフェンにあるT.チザット-スゾーニが所有する施設を拠点にして進められることになります。

来年中には、その実車の姿を見ることができるでしょう! 乞うご期待です!?

ニック・ブロア(トライアンフCEO)
「ティエリーとの新しいパートナーシップは、最高レベルのレースに参戦するというトライアンフの長期的コミットメントを証明するものです。我々は世界クラスのパフォーマンスを提供するという情熱を共有しており、ティエリーと彼のチームがもたらす経験は、非常に競争の激しいチャンピオンシップで名を残すという我々の野心にとって非常に貴重なものとなるでしょう。FIMモトクロス世界選手権にファクトリーサポートのトライアンフレーシングチームで参戦することは、我々の新しいトップレベルのオフロードレースキャンペーンの幕開けとなる画期的な瞬間です」

ティエリー・チザット-スゾーニ(トライアンフ・レーシング・チームオーナー)
「トライアンフはモトクロスバイクを製造し、FIMモトクロス世界選手権へ参戦することに、大きな責任を負っています。私のチームが、MX2とMXGPの公式トライアンフ・レーシング・チームになることをうれしく思っています。ニック・ブロアとトライアンフの取締役会は、このプロジェクトに対する長期的な野心を非常に明確にしており、ファクトリーの全員が非常に情熱的であることがわかります。ヴィンセントと私のスタッフはヒンクレーのエンジニアと協力して、2024年のMX2に参戦できるような、競争力のあるパッケージに仕上げているところです。MXGPは世界中で成長を続けており、私は戻ってくることができてとてもうれしいですし、トライアンフで参戦することを楽しみにしています」

画像: (左から)トライアンフ・レーシングのマネージャーのジェレミー・アップルトン、チーフ・プロダクト・オフィサーのスティーブ・サージェント、CEOのニック・ブロア、モトクロスチーム代表のティエリー・チゼット-スゾーニと、チームマネージャーのヴィンセント・ベレーニ。残念ながら、アンベールの写真は用意されていないため、ベールの下にある「マシン」の正体は不明です・・・。 www.triumphmotorcycles.co.uk

(左から)トライアンフ・レーシングのマネージャーのジェレミー・アップルトン、チーフ・プロダクト・オフィサーのスティーブ・サージェント、CEOのニック・ブロア、モトクロスチーム代表のティエリー・チゼット-スゾーニと、チームマネージャーのヴィンセント・ベレーニ。残念ながら、アンベールの写真は用意されていないため、ベールの下にある「マシン」の正体は不明です・・・。

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戦前から1970年代初期のISDT(国際6日間トライアル。現在のISDE)で活躍し、その栄光を象徴するモデルネームとして「トロフィー」を使用するなど、トライアンフはファクトリーによるオフロードレース活動にかつては熱心でした。

画像: www.triumphmotorcycles.jp
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そのほか米国では、AMAグランドナショナル対象のフラットトラック競技にも、熱心にファクトリー活動をしてきたトライアンフですが、1970年代半ばからのAMAスーパークロス流行期以降は2ストローク単気筒車が主戦モデルになったため、4ストローク車を造るトライアンフがモトクロス界にコミットすることはなくなりました・・・。

21世紀の時代、トライアンフが新たにモトクロス/エンデューロ界に挑戦を開始するのは、1960年代以前の時代の「オフロード」のトライアンフという伝統を取り戻し、販路を開拓することが大きな目的でしょう。気になる開発中のトライアンフ製モトクロッサーのパフォーマンスですが、開発に関与しているレジェンドライダー、リッキー・カーマイケルのコメントを読むと、ちょっと期待が膨らんできますね!?

リッキー・カーマイケル(トライアンフ グローバルオフロードアンバサダー)
「今日のニュースには本当に興奮しています。長い間待ち望んでいたことです。トライアンフとのこのプロジェクトが始まって以来、みんなの努力に驚かされています。オートバイの開発に携わった研究開発・エンジニアリンググループ全体が、本当に素晴らしい仕事をしてくれたことは言うまでもありません。プロトタイプの最初の段階から、その性能の高さには本当に驚かされました。その後、英国で最新の開発品をテストしていますが、最高レベルで勝つための能力を備えていると断言できます」

2024年にMX2に参戦・・・ということは、来年中にはトライアンフ製4ストローク250ccモトクロッサーのプロトタイプ、もしくはプロダクションモデルを見ることができると思います。一体どのようなパフォーマンスを有するモトクロッサーが誕生するのか・・・発表の日を待ちたいです!

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