「最高速」はいつの時代も乗り物の性能を示す重要な指標のひとつですが、世の中のEVブームのたかまりもあって、近年は電動車の分野での世界一争いが加熱しています。この分野の競争の主役といえるのが、ヴェンチュリ・グループの所有するブランド「ヴォクサン」のワットマンです。この度の挑戦のためにワットマンは新型となり、その実力の高さを新記録更新により証明しました。

記録の舞台はアメリカ、フロリダでした!

去る2021年11月18日から23日、ヴォクサンは米ケネディ宇宙センターのスペース・フロリダの発射・着陸施設にて、2輪EVの速度記録更新にチャレンジしました。

そもそもヴォクサン・ワットマンは、世界最速の2輪EVとして知られている車両です。MotoGP250ccクラスおよびSBK(世界スーパーバイク選手権)王者のM.ビアッジのライディングにより、ワットマンは2020年11月に時速228マイル≒366.93km/hをマーク。2019年に日本のモビテックEV-02A(ライダー:鶴田竜二)が記録した時速204マイル≒329km/hを上回り、世界最速の称号を手中におさめました!

画像: 自らの記録更新のため、新型となったヴォクサン・ワットマン。タイヤサイズはフロントが120/70-17で、リアが190/55-17。いずれもミシュラン製品で、MotoGPで実証された高度な技術をベースに、大トルクを受け止めて高いグリップ性能を発揮するように設計されています。 www.venturi.com

自らの記録更新のため、新型となったヴォクサン・ワットマン。タイヤサイズはフロントが120/70-17で、リアが190/55-17。いずれもミシュラン製品で、MotoGPで実証された高度な技術をベースに、大トルクを受け止めて高いグリップ性能を発揮するように設計されています。

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ちなみに速度記録には様々な計測方法・クラス分けがありますが、FIM(国際モーターサイクリズム連盟)公認記録として一番重視されるのは規定の距離・・・1マイル≒1.6kmや1kmの区間をフライングスタートで2時間以内に往復し、その2回の走行の平均で残されるレコードが最速であること・・・です。

つまりクラス分けの条件関係なくオーバーオール最速で、そして1発勝負の速さだけでなく2回走行しても速さが保たれていること・・・が、広告などで絶対地上速度の「世界最速」をうたう最低条件になるわけです。これはEVに限らず、ICE(内燃機関)車に関しても同じです。

画像: ロードレース界で数々の栄光を手中におさめたM.ビアッジが駆るヴォクサン・ワットマンは、一般的なモーターサイクルのライディングポジションをもつ、セミ・ストリームライナータイプの速度記録車です。なお冷却には、構造の簡素化という目的のためドライアイスを使用しています。 www.venturi.com

ロードレース界で数々の栄光を手中におさめたM.ビアッジが駆るヴォクサン・ワットマンは、一般的なモーターサイクルのライディングポジションをもつ、セミ・ストリームライナータイプの速度記録車です。なお冷却には、構造の簡素化という目的のためドライアイスを使用しています。

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ヴォクサンが自らの記録を塗り替えるために製造した新型ワットマンは、旧型同様に「メルセデスEQフォーミュラE」パワートレインを採用していますが、旧型の270kWに対し新型は320kWまで出力アップ! なおトルクは1,360Nmを発揮します。

そして搭載するバッテリーを新型のコンパクトなもの(15.9kWh)にすることで、車重は300kgを切るまでのダイエットに成功。旧型の参加カテゴリーは300kg以上クラスでしたが、新型は300kg以下クラスに参加することが可能になりました。なおホイールベースは旧型の1,800mmから1,957mmへと延長。そしてシート高は610mmから685mmへアップ。フェアリングは横からの突風が吹いたときに、その抵抗を低減するフォルムにアップデートされているのも、新型ワットマンの特徴です。

数々の世界記録を更新!

最も重要視される、2時間以内の規定区間往復の平均速度・・・に関する挑戦は、11月22日に行われました。そしてM.ビアッジのライディングにより、ヴォクサン・ワットマンは時速283.182マイル≒455.737km/hを記録し、「300kg以下、セミ・ストリームライナー型電動モーターサイクル」の世界記録を更新しました!

画像: スペースシャトルとバックに、激走するヴォクサン・ワットマンとM.ビアッジ! なおワットマンのデザインはビモータDB3マントラや、ヴォクサン製ストリートバイクのデザイナーとしても著名な、サシャ・ラキクの手によるものです。 www.venturi.com

スペースシャトルとバックに、激走するヴォクサン・ワットマンとM.ビアッジ! なおワットマンのデザインはビモータDB3マントラや、ヴォクサン製ストリートバイクのデザイナーとしても著名な、サシャ・ラキクの手によるものです。

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なおワットマンのGPS速度計は、瞬間最高速度で470.257km/hを記録していたとのこと! 2輪EVの速度記録が、500km/hの壁を破ることはそう遠い日のことではないのかもしれません? 

なお前日21日には、フェアリングを外した状態での2時間以内のフライングスタート1km往復方式で、「300kg以下、ノン・ストリームラインド型モーターサイクル」のクラスでの記録挑戦が行われており、時速229.675マイル≒369.626 km/hという世界記録を残すことにもワットマンは成功しています。そして上述の記録含め、今回の挑戦でチームが得た速度記録は合計19に及びます!

画像: 数々の2輪EV速度記録を打ち立てたことを喜ぶ、ベンチュリ・グループ代表のジルド・パストール(左)とM.ビアッジ。 www.venturi.com

数々の2輪EV速度記録を打ち立てたことを喜ぶ、ベンチュリ・グループ代表のジルド・パストール(左)とM.ビアッジ。

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ジルド・パストール(ベンチュリ・グループ代表)
「1年足らずの間に車両軽量化に成功するとともに、馬力と安定性を向上させることができました。2020年11月に達成した "300kg以上 "クラスの記録に続き、今回の数々の新記録はベンチュリ・グループ、M.ビアッジ、そして大切なパートナーであるサフト(※バッテリー担当)、ミシュラン、メルセデスへの壮大なご褒美です。今回のプロジェクトで得られた経験が、エコモビリティの向上に貢献できると思うと嬉しいです。この記録を持続可能な開発の促進に、多大な貢献をしている母国モナコと共有したいと思います」

最速の座を守ったヴォクサンですが、その対抗馬として期待されているのは、車体中央に空気抵抗軽減とダウンフォース発生の効果を狙った、ユニークな車体設計が与えられたWMC250EVです。今年の9月の時点での彼らのターゲットは「時速250マイル≒402.3km/h」でしたが、WMC250EVを製造するホワイトモーターサイクルコンセプトは大きな軌道修正を強いられることになりますね・・・(車名もWMC300EVに変更しないと・・・?)。

今後もヴォクサンが、自らのレコードの更新を続け最速の地位を守り続けることになるのか? それともホワイトモーターサイクルコンセプトなどのチャレンジャーが、ヴォクサン・ワットマンを王座から引きずり下ろすことになるのか・・・? これからも2輪EV速度記録に関するニュースに、注目したいです!

画像: The Voxan Wattman : The world's fastest electric motorcycle youtu.be

The Voxan Wattman : The world's fastest electric motorcycle

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