1960年代車たちを尻目に、戦前車2台が一騎打ちを展開!!
こちらの紹介する動画は、2007年に英国ケント州のリッデン・ヒル・レース・サーキット(1周約1.6km)で行われた、1962年までに生産された250cc車を対象とするクラシックロードレースを収録したものです。
今日私たちが親しんでいるバイク・・・テレスコピックフォークにスイングアームフレームの組み合わせは、1950年代半ばから1960年代にかけてバイクの車体の典型となっていきましたが、それ以前のバイクはフロント側にガーダーフォーク、リア側はサスペンションのないリジッドフレームが一般的でした。
このレースに参加している250cc車は、1960年代のドゥカティやBSAの4ストローク単気筒がほとんどですが、それら近代的な車体が与えられた1960年代車たちを置き去りにする勢いで、猛烈な走りを披露する2台の英国製戦前車がこの動画の主役です!
まずスタートからレースをリードするのは、マーヴィン・ストラトフォードが駆る1933年!! 型のラッジ250 TTレプリカです! 1930年のマン島TTレースで大活躍したラッジのワークスマシンのレプリカと呼べるこのバイクは、ホンダのRFVCの遥か前の時代にも関わらず放射4バルブ単気筒のレイアウトをOHVで具現化していました! (ラッジについては、下のリンクの過去記事をご参照ください)。
ラッジのオーソリティであるストラトフォードによりチューニングされた250 TTレプリカは、まず序盤戦ではドゥカティ250に乗るスチュ・ノーブルとバトルを繰り広げます!
その後、2人の首位争いに加わるのは、ベロセットMOVに乗るナイジェル・ラインズ! こちらも1933年に初代が販売されたという、OHV単気筒を搭載する1930年代のスポーツモデルです! このMOV、量産公道車をチューンしたマシンに関わらず、クラブマンレーススペックのドゥカティ250をレース中盤にはパスし、その後は純レーサーのラッジ250 TTレプリカとの一騎打ちを展開します!
7分35秒の激アツなドラマを、ぜひお楽しみください!
動画を見る前は、どうせドゥカティ250が勝つんだろ・・・と思っていましたが、蓋を開けると展開されるのは、戦後生まれのマシンたちを置き去りにした2台の1930年代英国車たちのバトル・・・。フロント側がガーダーフォークでリア側がリジッドなのにこんな速く走れるなんて、驚愕のひと言です!
また前後のドラムブレーキも、戦後車のそれに比べればはるかに容量不足で効きに劣るハズ・・・。そして古典的なOHVという弁方式に関わらず、エンジンパワーでも戦後車に全く引けを取ることがありません・・・。
ラッジとベロセット・・・2台の1930年代英国製250cc単気筒同士の勝負の決着は? それは動画を見てご確認ください!