再開したMotoGPと同じ、スペインのヘレスが会場となりました!
COVID-10感染拡大の影響で、今シーズンのSBKは第2戦以降は主に欧州大陸で開催されることになり、なんとスペインでは9戦中4戦が行われます! 第2戦スペインラウンドの舞台は、MotoGP第2、3戦と同じヘレスサーキットで行われました。
7月に行われたMotoGPの2戦では、真夏のヘレスの暑さがライダーとチームを翻弄しましたが、SBKも同様に暑さが大きな脅威となりました。思えば多くの世界選手権は、盛夏の時期はサマーブレイクがフツーで、レースをすることはありません。今年は異例尽くしのシーズンですね・・・。
8月1日(土)のスーパーポールは、今シーズンからドゥカティワークス新加入のスコット・レディングがポーツポジションを獲得。2位はSBK連覇中の王者ジョナサン・レイ(カワサキ)、3位はスーパーポールを得意とするBMWのトム・サイクスが獲得。そして、マイケル・ファン・デル・マークとトプラック・ラズガットリオグルが4、5位。6位にサテライトのテン・ケイトのロリス・バズが入り、レース1決勝2列目グリッドをヤマハ勢が占めることになりました。
レース1は、J.レイが好スタート。これをT.ラズガットリオグル、S.レディング、L.バズが追い、先頭集団を形成しました。
気温37度、路面温度:59度! という酷暑のなかでの戦いゆえ、各ライダーは最後までグリップをキープするため、厳しいタイヤマネジメントを強いられることに・・・。15周目、J.レイをレディングがパスし首位交代。レイも反撃しますが、そのままレディングが20周を走り切り今シーズンのSBK4人目のウィナーとなりました!
2位レイに続いて3位に入ったのは、チャズ・デイビス(ドゥカティ)の追い上げを退けたラズガットリオグル。なおチームメイトのファン・デル・マークは、8周目に残念ながらマシントラブルでリタイアに終わりました・・・。インディペンデント勢ながら奮闘のバズが5位になりました!
SBK2020 R2 スペイン レース1
1 S.レディング Ducati GBR 33'58.961
2 J.レイ Kawasaki GBR 00'01.147
3 T.ラズガットリオグル Yamaha TUR 00'02.252
4 C.デイビス Ducati GBR 00'02.699
5 L.バズ Yamaha FRA 00'03.301
6 M.リナルディ Ducati ITA 00'06.367
スーパーポールレースは、J.レイが逃げ切って優勝!
8月2日(日)、ポイント対象でレース2のグリッドを決める10周のスーパーポールレースは、J.レイが土曜日のレース1同様好スタート! T.ラズガットリオグル、S.レディング、そしてM.ファン・デル・マークが追う展開に・・・。
そのまま先頭を守り抜いたレイが、前戦オーストラリアラウンドに続きスーパーポール2連勝! ラズガットリオグルとレディングの2位争いは、残り3周でラズガットリオグルのヤマハYZF-R1にセンサー系トラブルが発生しリタイア・・・で決着。3位にファン・デル・マーク、4位にL.バズ、5位にC.デイビス、6位にT.サイクスという結果になりました。
SBK2020 R2 スペイン スーパーポールレース
1 J.レイ Kawasaki GBR 16'43.589
2 S.レディング Ducati GBR 00'00.552
3 M.ファン・デル・マーク Yamaha NED 00'02.701
4 L.バズ Yamaha FRA 00'04.804
5 C.デイビス Ducati GBR 00'06.471
6 T.サイクス BMW GBR 00'08.561
レース2は、ドゥカティワークスが2012年以来となる1-2フィニッシュ達成!
レース2も最初にリードを奪ったのはJ.レイでしたが、2周目からはS.レディングが先頭でレースを引っ張ります。一方、ラズガットリオグルはスーパーポールレースでのトラブルにより10番グリッドからスタートしますが、好スタートで1周目終了時点で4位まで順位を上げました!
レイはC.デイビス、そしてラズガットリオグルにパスされて8周目には4位に後退。さらにインディペンデントチームのドゥカティに乗るM.リナルディ、そしてチームメイトのA.ロウズにも抜かれ最終的には6位でゴール。近年絶対王者に君臨するレイが、彼としては残念な結果といえる6位にとどまったのは、2014年米ラグナセカ・レース1での6位以来のことでした。
一方、5周目以降に1-2体制を築いたドゥカティワークスのレディングとデイビスは、そのままの順位で20周のレースを終えました! なおドゥカティのSBKでの1-2は、2012年オランダ・アッセンのレース1以来の快挙でした。余談ですがこのときのマシンはドゥカティ1098Rで、1位シルバン・ギュントーリ、2位ダビデ・ジュリアーノ。なお3位もドゥカティのカルロス・チェカでした。
3位は8周目からこの位置を守ったT.ラズガットリオグル。4位は大健闘のM.リナルディ。5位はA.ロウズという結果になりました。レース2の優勝で、レディングはSBKで6連続表彰台獲得した初の英国人ルーキーとして歴史にその名を刻みましたが、この記録はどこまで伸びるのか? 注目です。
SBK2020 R2 スペイン レース2
1 S.レディング Ducati GBR 33'51.855
2 C.デイビス Ducati GBR 00'03.082
3 T.ラズガットリオグル Yamaha TUR 00'05.472
4 M.リナルディ Ducati ITA 00'08.709
5 A.ロウズ Kawasaki GBR 00'10.772
6 J.レイ Kawasaki GBR 00'12.501
気温37度、路面温度60度! となったレース2で、レイは唯一ハードオプションのリアタイヤを選択したライダーでした。レース1でも同様の選択をしたレイでしたが、レース2はレース1のときのようには上手くいかず、なんとかゴールまでマシンを運ぶような・・・ハードな展開を強いられることになりました。
カワサキワークス・・・というより、絶対王者J.レイの支配が続いていた近年のSBKですが、2020年シーズンはカワサキ、ドゥカティ、ヤマハが第2戦終了時点でウィナーマシンとなっております。混戦のシーズンとなるのか? それとも誰かが抜け出すのか? 第3戦ポルトガルラウンドは今週末の8月7〜9日に開催されますが、11月までの短期決戦となったSBKを楽しみましょう!
SBK2020 ランキング ※8月2日時点
1 S.レディング Ducati 98
2 J.レイ Kawasaki 74
3 A.ロウズ Kawasaki 72
4 T.ラズガットリオグル Yamaha 66
5 C.デイビス Ducati 57
6 M.ファン・デル・マーク Yamaha 47