動力源としてのロケット未搭載で、時速600マイル超えを達成!!
去る11月16日、南アフリカ北部の乾燥した湖底のテストコースで、ブラッドハウンドSSCは早朝の高速テストを実施。GPS計測で時速628マイル(1,010km/h)という記録をマークしました! 最高速を記録するまでの所要時間はわずか50秒!! 見事、高速テストを成功裏に終えました。
※ブラッドハウンドSSCの詳細については、下のリンクの過去記事をご参照ください。
過去時速600マイル超えの速度を記録した車両はブラッドハウンドSSCのほか、ソニック1、ブルーフレーム、スラスト2、バドワイザーロケット、ソニックアロー、オージーインベーダーIII、そして現在も最速記録を保持するスラストSSCの6台しかありません。
そして、時速700マイル超えの実績を持つのはわずかバドワイザーロケットとスラストSSCの2台のみ・・・。なお1997年に樹立されたスラストSSCの世界記録は、時速763マイル(1,228km / h)でした。ブラッドハウンドSSCが目指すのは、そのはるか上の時速1,000マイル!! です。
今回の高速テストの注目すべき点は、時速600マイル超えをジェットエンジンの推力で達成したところです。本来、ブラッドハウンドSSCはロールス-ロイス製のユーロジェットEJ200というターボファンのジェットエンジンに、ノルウェーの企業であるナンモのロケットエンジンを組み合わせた設計ですので、ロケットエンジンを積んで走行すれば・・・目標の実現も夢ではありません。
時速1,000マイルの挑戦は2020年? 期待してその時を待ちましょう!
22年前のスラストSSCの記録を破るために、今ブラッドハウンドSSCのプロジェクトに一番必要なものは・・・ずばりお金です。現在プロジェクトは、英ヨークシャーの裕福な実業家であるイアン・ワーハーストの支援で進んでいますが、本番とも言える記録挑戦の実現には有力な企業スポンサーの支援が必要・・・とワーハーストは語っています。
そして空気抵抗との戦いも、ブラッドハウンドSSCが新記録を打ち立てるために勝たなければいけないことのひとつです。空気抵抗は速度の2乗で増加しますが、ブラッドハウンドSSCが速くなればなるほど空気抵抗との戦いは厳しいものとなり、より緻密で洗練されたエンジニアリングが求められることになるのです。
チームは今後12か月から18か月以内の間、ブラッドハウンドSSCを記録に挑戦させるために必要なスポンサー探しや投資の募集に励むことになる、とのことですが、2020年・・・または2021年には記録挑戦の報を聞くことを期待したいですね。その時が訪れるまで、期待して待ちましょう!