6階級制覇を成し遂げ、現在WBA世界ウェルター級王者のフィリピンの英雄マニー・パッキャオ。
WBAスーパー王者として無敗街道を走り続ける“ワンタイム”キース・サーマン。
勝負の行方は??

(パッキャオ)40歳という年齢からくる衰えはあるか?
(サーマン)2年近いブランクによる錆を落とし切れているか?

パッキャオは2018年7月に9年ぶりのKO勝利でWBA世界ウェルター級王座を勝ち取り、さらに2019年1月には強豪エイドリアン・ブローナーを大差の判定で下すなど、40歳という年齢を感じさせない好調ぶりをアピールしている。アグレッシブかつ勇敢なファイトスタイルは変わっておらず、プレッシャーをかけながら懐に飛び込みインファイトを挑む姿を今回も見られるだろうと多くのファンが期待をかけている。

対して、パッキャオより10歳若い30歳のサーマンは、見ての通りかなりのイケメン。そのボクシングスタイルも接近して良し離れて良し、さまざまなタイミング・角度で速い強打を繰り出せるテクニシャンだ。ただ、度重なる怪我により2年近いブランクを余儀なくされ、2019年1月に行った復帰戦では判定勝利を得たものの、格下相手に苦戦を強いられ、ブランクによる錆を落としきれていないというのが現在の評価だ。
ワンタイム、というニックネームは、その切れ味鋭いカウンターによる、早いラウンドでの倒し屋ぶりから来ているが、その絶妙かつ精妙なパンチングスキルを取り戻せているかどうかが、今回の試合の見どころということになる。

Keith Thurman Jr. on Instagram: “Back YOUR BOY with one of these new #OneTime t-shirts! Check em out on my website: keiththurman.com”

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選手名パッキャオサーマン
生年月日1978/12/171988/11/23
出身地フィリピンUSA
通算戦績70戦61勝(39KO)7敗2分30戦29勝(22KO)1無効試合
身長・リーチ166cm・170cm171cm・175cm
スタイル左ファイター右ボクサーファイター
ニックネームパックマンワンタイム
参照:https://www.wowow.co.jp/sports/excite/info/detail_190712.html

試合展開:

両者ともにプレッシャーを掛け合い、活発に手数を出す展開でスタート。
前に出る圧としてはやはりパッキャオが上だが、サーマンはパッキャオが入ってくるところを速いカウンターで仕留めようという意識がある。

激しい攻防の中、パッキャオがサーマンから右ストレートでダウンを奪う。脚が揃ってバランスを崩した瞬間に当たったパンチはダメージはないが、ダウンはダウン。第1ラウンドで明確なポイント差が出た。

サーマンの動きは悪くないが、早々にダウンを奪ったことで気を良くしたパッキャオの飛び込みスピードのギアが上がり、2ラウンドに入って攻勢を強める。捌くサーマンだが、パッキャオの調子の良さが目立つ。

3Rでもパッキャオの右リードパンチは当たる。サーマンはパッキャオの動きを止めたいためか、ボディーへの強打をしきりに振るう。4Rをみても全体的にはパッキャオ優勢に見えるが、サーマンも悪くない。手数ではサーマン、瞬間的な畳み掛ける攻勢点ではパッキャオか。

5Rに入り、サーマンが攻勢を強めてくる。パッキャオの連打は両腕をしっかり揃えてガードし、下がったところにパンチを打ち込む。ラウンド終盤でパッキャオも反攻に出て、サーマンは大量の鼻血をだす。

試合開始前には、パッキャオの速い飛び込みからの連打か、入りぎわのサーマンのカウンターか、という予測だったが、実際には互いに圧力をかけながらパンチを当てようとする、スリリングな展開が続く。逆に言えば、パッキャオの踏み込みがサーマンの予想を超えて速く、カウンターを打ち込めず、そればかり狙っていると入り込まれていいように打たれてしまうということか。
サーマンとしては、パッキャオが突っ込んでくる前に押し込んでおきたい。7ラウンドに入り、やや疲れがでてきたようにみえるパッキャオに対して、サーマンは攻勢を強める。自分から手を出し、待ちの姿勢を捨てたことが功を奏しているようだ。脚を使いリングを丸く動き始めて、パッキャオの突進力を殺ごうともしている。

8ラウンドでも展開は同じだが、パッキャオの動きも良くなる。年齢差を感じさせないクロスゲーム。

フットワークやパンチングスピードではパッキャオ。サーマンには独特の当て感があり、それが必殺のカウンターに繋がっている。9Rでは、サーマンの手数が少なく、パッキャオが攻めているようにみえるが、ヒット数ではサーマンが上。

ところが10ラウンドに大きな動きが・・パッキャオのボディーブロー(左アッパー)が強くヒット。サーマンが苦悶の表情で後退したのだ。
ダウン寸前まで追い込んだパッキャオだが、サーマンは必死に耐え、逃げ切りに成功する。

とはいえ、10Rのポイントはパッキャオがゲットしたのは明白。11ー12Rで取り返さなければ勝ちはないと判断したのだろう、サーマンがこれまで以上に攻勢に出る。強打を顔面に叩き込むことに成功するが、ダウンを奪うまでには至らない。

12ラウンドでダウンを奪いたいサーマンは、ゴングとともにラッシュをかけるが、恐らくは相当に疲れているであろうはずのパッキャオもそこは動きを止めず、反攻する。むしろその驚くべきスタミナと闘志のまえに、サーマンの苛立ちの色が濃い。
結局そのまま、最終ラウンドのゴングが鳴った・・・。

試合結果:2対1の判定でパッキャオ勝利!

第1ラウンドでのダウンの印象からパッキャオ有利かと思えるとはいえ、どちらが勝ったとしても不思議はない接戦の勝敗は、ジャッジが割れて2対1の判定で、パッキャオが勝利を収めた。

40歳のレジェンドは、その旅をさらに続けていくことになった。

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