スーパーGT GT500クラスのディフェンディングチャンピオンとなる#1(カーNo.1)のRAYBRIG NSX-GTを筆頭に2019年シーズンも順調なスタートを切ったように見えるホンダ陣営だが、その戦闘力はどうなっているのだろうか。(写真:井上雅行)

メーカー間の格差が縮まっている?

画像1: メーカー間の格差が縮まっている?

現在、SUPER GTのGT500クラスでは3年に一度のペースでマシンのフルモデルチェンジが行われる。前回フルモデルチェンジされたのは2017年なので、今年は現行マシンで戦う最後のシーズン。それだけに各メーカーともマシンの熟成が進んでパフォーマンスは向上したが、それ以上に注目されるのがコースを問わずに各メーカーの実力が拮抗するようになった点にある。

たとえば第2戦富士の公式予選では、上位8台が進出できるQ2にはニッサンGT-RとレクサスLC500が3台ずつ、そしてホンダNSXが2台と、3メーカーがほぼ均等に出走。決勝レースでもレクサス、ニッサン、ホンダの3メーカーが表彰台を分け合った。

これは、富士のような高速サーキットではレクサスが強く、鈴鹿や菅生に代表されるコーナリング重視のサーキットではホンダが圧倒的な速さを示し、2メーカーの中間的な特性をニッサンが発揮していた数年前までとは大きく異なる状況といえる。

画像2: メーカー間の格差が縮まっている?

「3メーカーの実力が拮抗しているのは間違いありませんね」と佐伯LPL。「そのいっぽうでタイヤというファクターが近年はとても大きくなっていて、決勝での展開を考えて予選で使うタイヤを選んでいるという側面が顕著になっています」

佐伯LPLが言おうとしたのは、こういうことだ。最終的にベストな成績を得ようとすれば、当然のことながら決勝レースで最高の性能を発揮するタイヤを選ぶ必要がある。ところが、決勝レースのスタートでは予選で使ったタイヤを履くことが規則で義務づけられているため、決勝レースの戦略を見据えたうえで予選のタイヤを選択しなければいけない。このためレース戦略によってタイヤチョイスが変わり、これがメーカー間の性能差を上回る影響を与えているというのだ。

裏を返すと、1ラップの予選アタックで高いパフォーマンスを発揮するソフト傾向のタイヤを履けば、たとえ富士が苦手なメーカーのマシンであってもポールポジションが狙えるが、ソフトなタイヤでは長い周回数にわたって高い性能を維持することができず、結果的に順位を落とす可能性が高い。別の言い方をすれば、タイヤの選択次第でメーカー間の性能差を上回るパフォーマンスを発揮できるほどタイヤの影響力が大きいともいえるし、それだけメーカー間の格差が縮まったともいえるだろう。

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