戦後、世界ロードレースGP(現MotoGP)が成立した1949年から10年を経て、1959年からホンダは日本のメーカーとしては初めてGPへ挑戦しました。この連載は、今日に至るまでホンダのマシンに乗って世界タイトル(個人)を獲得した英雄たちを紹介するものです。今回は長いGPキャリアを誇る、T.ルティを紹介します。

125ccクラスで王者を獲得!!

スイスのオーバーディーススバッハ出身のルティは9歳からポケバイに乗り始め、1999年からスイス選手権を2連覇して頭角を現しました。そして2002年、ドイツ選手権とヨーロッパ選手権に参戦し、それぞれランキング3位、2位という成績をおさめました。

その年の第9戦ドイツGP125ccクラスでルティはGPデビューを飾り、残りのGPレースもツインリンクもてぎでのパシフィックGPを除いて参戦。同年のランキングで27位を記録しています。

翌2003年からはフル参戦を開始。同年ランキング15位。2004年は25位という成績で、フル参戦2年間で得た表彰台は2003年カタルニアGP2位が唯一・・・このころのルティは、多くのホンダRS125Rユーザーのひとりに過ぎない存在・・・とも言えました。

2005年125ccクラス、ホンダRS125に乗り集団をリードするT.ルティ。
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そんな彼が注目の対象となったのは2005年でした。125ccクラス第2戦ポルトガルGPで久々の3位表彰台を獲得すると、第4戦フランスGPではキャリア初優勝を記録! その後チェコ、マレーシア、オーストラリアGPでも優勝を記録したルティは、ミカ・カリオ(KTM)に5点差をつけて念願の125ccタイトルを獲得したのです!

2018年はホンダRC213VでMotoGPクラス参戦!

2006年、125ccクラスでフランスGPの1勝のみにとどまったルティはタイトル防衛に失敗。2007年からはアプリリアに移籍し2009年までの3シーズンを250ccで戦いますが、ランキングは8位、11位、7位で、タイトル争いに絡むことはできませんでした。

2010年からはMoto2クラスを走り、初年度はモリワキMD600でランキング4位を獲得。2011年以降は2014年シーズンまでスッターに乗り、4年間で計4勝を記録。2015〜2017年の3年間はカレックスユーザーとなり、順にランキング5位、2位、2位と、約10年ぶりにタイトル争いに絡むライダーの地位に復活しました。

画像: 2018年はEG 0,0 Marc VDSに所属。ホンダRC213Vで最高峰MotoGPクラス参戦を果たしました。 www.honda.co.jp

2018年はEG 0,0 Marc VDSに所属。ホンダRC213Vで最高峰MotoGPクラス参戦を果たしました。

www.honda.co.jp

昨2018年は、フランコ・モルビデリのチームメイトとしてサテライトのホンダRC213VでMotoGPクラスにステップアップ! しかし型遅れのマシンとはいえ1ポイントも取ることができないという周囲の期待を裏切る結果に終わり、残念ながらMotoGPマシンのシートを維持することはかなわず2019年は再びMoto2クラスを走ることになりました。

画像: トライアンフ3気筒765ccを搭載するカレックスに乗り、アメリカズGPのMoto2クラスで優勝したT.ルティ。 www.bikesrepublic.com

トライアンフ3気筒765ccを搭載するカレックスに乗り、アメリカズGPのMoto2クラスで優勝したT.ルティ。

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2019年開幕戦カタールGPは2位。第2戦アルゼンチンGPはリタイアでしたが、第3戦アメリカズGPでは2017年サンマリノGP以来となるMoto2クラスでの優勝をルティは記録しました。1986年生まれでGPデビューから18年目・・・GP界ではすっかりベテランの域に達しているルティが今後どのようなキャリアを積み上げていくことになるのか・・・注目しましょう!

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